在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリアの銀行

2009-03-30 23:58:16 | もろもろ、つれづれ
今では、イタリアでもカードの流通、ATMの普及、自動引き落としが普通になってきたので、銀行は以前ほど混まなくなった。
昔は、いつもたいてい混んでいたし、今日は空いてると思っても、窓口に3人並んでいたら30分はかかった。(それでも、30分なら早いほうであった。)
そのころは、郵便局と銀行は、とにかく時間がかかるので有名だったのである。

さて、今日、ある支払で、久々に銀行で1時間待った。
それでも、入れたから良かったかも知れない。20分くらい後に来た客で、同じ支払の人は、2時間待ちだから他の銀行へ行ってくれと、銀行の支店長自らが銀行の玄関口に立ち、言われて、入れてもらえなかった。
日本だったらすごいクレームになるよね、と思って見ていた。だから、イタリアは面白い、とも言える。

銀行と言うと、いくつか開いた口がふさがらない事件(?)があるが、それは特に両替に多い。
街中の銀行は、観光客が入るから、両替には慣れている。
しかし、ちょっと住宅街へ行くと、あまり両替をする人はいないのだろう。(それも円を。)
最初の頃は、街中で両替して、それを口座のある銀行へ持って行っていたのだが、途中で盗難もあり得るので、今は、直接、口座のある銀行へ持っていくことにしている。
すると、いろいろなことが起こりえる。

10時半ごろに着いても、まだ、本店から今日の両替レートが来ていないから換えられない。(さすがに、コンピューターの普及で、これは今はなくなった。)
円の両替なんてやったことがないからできない、と言われる。(これは今でもある。これで新しいことを覚えるわよね!と機嫌を損ねないようにやってもらう。)
すごーく面倒くさいんだけど、他の銀行でやってから来てくれない?と言われる。(ここも銀行でしょ!と怒りたいのを抑えてがんばる。)

日本だったらすぐに首よ!と言いたいのをぐっと抑えるのである。
しかし、こういう事件がなくなったらイタリアの銀行じゃなくなるな~。。。

スフルツァット・ヴァルテッリーナ・チンクエ・ステッレ 2005” ニーノ・ネグリ

2009-03-30 23:12:25 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Sfursat Valtellina Cinque Stelle 2005” Nino Negri –Lombardia(点数 7.5+)
ご存じ、ニーノ・ネグリのスフルツァットは久しぶりに飲んだ。
ヴァルテッリーナの名を高めたのはこのワインであり、スフルツァットとは何かを広めたのもこのワインではないかと思う。
と言っても、今だに、スフルツァットって何?と思う人はいるだろうが。
さて、ヴァルテッリーナはイタリアでも最も北に位置するといえ、ちょっと行くとスイスである。つまり、暖かいイタリアの中ではかなり寒い所に位置する。
そうなると、熟しにくいブドウを使いどうやって美味しいワインにするか。
というと、ブドウを影干しするという結論に至る。
スフルツァットは、つまり、力を加えた、要するに手を加えた、という意味となる。

品種は、ネッビオーロ100%。地元でキアヴェンナスカ。
色からするにかなり濃い目。モダンなワインはこうなくちゃね!の見本のよう。
香りも、インターナショナル。華やかで、フルーティーで、いたってモダン。
ヴァルテッリーナでこんなにモダンなワインを造ってしまうなんて、さすが、グルッポ・イタリアーノ・ヴィーニ。
革、熟したフルーツ、バニラ、甘いスパイス。。。
甘いくらいのまろやかさがあり、ボディがあり、ややアルコールが上がる感じがある。苦味はほんのり感じる。持続性はあるが、最後に、苦みとフルーツとアルコールが混ざるのが気になる。
うーん。。。以前は、文句なく美味しいと思っただろうと思うのだが、今は、金賞も取ったことだし、アル・ペ・ペのような自然の大地を感じさせるワインの方が好みである。
(2005年は(というより、ほとんど毎年)AISの5グラッポリを取っている。
AIS風に言えば、点数9点なのだろうが、個人的にはちょっと辛口。。。)