Vergine giurata 誓われた処女
打って変わって、なぜか突然イタリア映画の紹介。
今年に入ってから、理由ありでイタリア映画を毎週見ている。
映画の上映後、監督とのインタヴュー会見という、とても貴重なおまけも付いている。
それも人数がそれほど多くないので、比較的気軽に質問できる雰囲気で、映画そのものもだが、特に上映後の会見が非常に興味深い。
そうこうしているうちに、昨今のイタリア映画、イタリア映画事情を紹介しないのはもったいないと思うようになった。
残念ながら往年の勢いはないが、珠玉の作品が幾つもある。
もしかして、見た映画のいくつかがそのうち日本に上陸するかもしれないと期待。
見ているのは、昨年の製作の映画で、今現在、一般公開されているものもある。
今週の映画は、アルバニアを背景にした映画。
監督はラウラ・ビスプーリという女性で、3本短い作品を撮った後の、初めての長編作だそう。まだ若く、街で出会っても、まさか映画監督とは絶対にわからない雰囲気の気さくな女性だが、自分のやりたいことは何かがわかっている、非常に頭の切れるタイプ。これから期待できそう。
ストーリーは、同タイトルの本からインスピレーションを得たということだが、本当にある話がベースになっている。
孤児だったハナが引き取られたファミリーには、年の違わない女の子、リラがいた。
仲良く育つのだが、大きくなって、リラにはボーイフレンドができ、二人で故郷を去るという選択をした。
一方ハナは、男尊女卑の風習を嫌って、男になる選択をする。12人の村の男性の前で宣誓をし、長かった髪をばさっと切る。
その後、一人の男、マークとして生きるのだが、養父が亡くなり、養母も他界し、イタリアで生活しているリラの元へ行く選択をする。
結婚して家庭を持っているリラには年頃の娘がいて、シンクロをやっている。全く違う世界に身を置いて、彼女に付いてスイミングクラブに通っているうちに、女性に戻る決心をする。
映画はその微妙な心の過程で終わるが、終わり方も悪くない。
モデルがいる実話ではないが、アルバニアの山奥では、まだ極端な男尊女卑が残っていて、幾つかの理由で、女を捨て、男になる選択をする人がいるという。
監督の話だと、今でも50人か100人程度はいるらしく(正確な実態はわからず)、男になる理由は、自由の全くない立場の女でいることが嫌とか、男と同じ自由が欲しいとか、または、結婚生活が上手くいかなく別れるために、という人も例外でいるらしい。
そして、このストーリーのように、「女性に戻る」選択をした人も僅かだがいるという話。
アルバニアの山奥の景色がまるで山水画のようにきれいで、ハナがまだ少女のアルバニアでのストーリーと、一人の男であるイタリアでのストーリーがモザイクのように交錯し、会話はアルバニア語(英語の字幕スーパー)であることもあり、最初は理解にちょっと苦労した。
しかし、主人公のハナ(つまりマーク)を演じているアルバ・ロスワシャー(と発音するのだろうか。。。ドイツ語名)がとにかくうまい。他の映画でもそうだが、彼女の演技の上手さは半端ではない。あまりに自然なアルバニア語は1ヶ月ほどの勉強の成果だというし、ちょっと一方の肩を引きずる(というような表現はあり?)ような男の演技など、それは素晴らしい。
心に残る映画の1本。現在配給の
各国でかなりの高評価。
打って変わって、なぜか突然イタリア映画の紹介。
今年に入ってから、理由ありでイタリア映画を毎週見ている。
映画の上映後、監督とのインタヴュー会見という、とても貴重なおまけも付いている。
それも人数がそれほど多くないので、比較的気軽に質問できる雰囲気で、映画そのものもだが、特に上映後の会見が非常に興味深い。
そうこうしているうちに、昨今のイタリア映画、イタリア映画事情を紹介しないのはもったいないと思うようになった。
残念ながら往年の勢いはないが、珠玉の作品が幾つもある。
もしかして、見た映画のいくつかがそのうち日本に上陸するかもしれないと期待。
見ているのは、昨年の製作の映画で、今現在、一般公開されているものもある。
今週の映画は、アルバニアを背景にした映画。
監督はラウラ・ビスプーリという女性で、3本短い作品を撮った後の、初めての長編作だそう。まだ若く、街で出会っても、まさか映画監督とは絶対にわからない雰囲気の気さくな女性だが、自分のやりたいことは何かがわかっている、非常に頭の切れるタイプ。これから期待できそう。
ストーリーは、同タイトルの本からインスピレーションを得たということだが、本当にある話がベースになっている。
孤児だったハナが引き取られたファミリーには、年の違わない女の子、リラがいた。
仲良く育つのだが、大きくなって、リラにはボーイフレンドができ、二人で故郷を去るという選択をした。
一方ハナは、男尊女卑の風習を嫌って、男になる選択をする。12人の村の男性の前で宣誓をし、長かった髪をばさっと切る。
その後、一人の男、マークとして生きるのだが、養父が亡くなり、養母も他界し、イタリアで生活しているリラの元へ行く選択をする。
結婚して家庭を持っているリラには年頃の娘がいて、シンクロをやっている。全く違う世界に身を置いて、彼女に付いてスイミングクラブに通っているうちに、女性に戻る決心をする。
映画はその微妙な心の過程で終わるが、終わり方も悪くない。
モデルがいる実話ではないが、アルバニアの山奥では、まだ極端な男尊女卑が残っていて、幾つかの理由で、女を捨て、男になる選択をする人がいるという。
監督の話だと、今でも50人か100人程度はいるらしく(正確な実態はわからず)、男になる理由は、自由の全くない立場の女でいることが嫌とか、男と同じ自由が欲しいとか、または、結婚生活が上手くいかなく別れるために、という人も例外でいるらしい。
そして、このストーリーのように、「女性に戻る」選択をした人も僅かだがいるという話。
アルバニアの山奥の景色がまるで山水画のようにきれいで、ハナがまだ少女のアルバニアでのストーリーと、一人の男であるイタリアでのストーリーがモザイクのように交錯し、会話はアルバニア語(英語の字幕スーパー)であることもあり、最初は理解にちょっと苦労した。
しかし、主人公のハナ(つまりマーク)を演じているアルバ・ロスワシャー(と発音するのだろうか。。。ドイツ語名)がとにかくうまい。他の映画でもそうだが、彼女の演技の上手さは半端ではない。あまりに自然なアルバニア語は1ヶ月ほどの勉強の成果だというし、ちょっと一方の肩を引きずる(というような表現はあり?)ような男の演技など、それは素晴らしい。
心に残る映画の1本。現在配給の
各国でかなりの高評価。