Fango e Gloria 泥と栄光
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/c5/fa18b5db6ebd09ab47b3314805395a34.jpg)
ワインそっちのけで映画の紹介。
毎週定期的にセレクトされた映画を見ているし、監督との会見もあり、日本でのイタリア映画の復活、発展に微力ながら協力。
さて、少し前に見たものでとても印象に残っている映画が1本ある。
地味な映画で、一般にはあまり受けなかったようだが、私たち某関係者の受けは非常に良かった。
監督のレオナルド・ティベーリ氏はドキュメンタリーに強い人で、ずっとその分野に関わっていたそう。
第二次世界大戦の資料やドキュメンタリー映画は数知れずあるが、第一次世界大戦のものはわずか。そこで現存している貴重なフィルムを使い、映画に仕立てた。
しかし、ドキュメンタリーを映像ただつなげただけでなく、ここにフィクションのラブストーリーをはさみ、これがかなりにくかった。
ストーリーは、一組の若者のカップルに男性の親友がいて、3人とても仲がいい。カップルの男性の名前はマリオ。
そこに戦争が始まり、それぞれ戦地に駆り出され、彼女も軍事工場で働くことになる。
戦時中とはいえ、たまの休みには故郷に帰り3人で会うこともあるのだが、いよいよもうすぐで戦争も終わりそうな頃、マリオが戦死。
いろいろあり、身元がわかるものを持っていなかったため、マリオの遺体は身元不明戦死者となってしまう。
という内容の間にかなりの量のドキュメンタリー映像(本物と、戦後直後に作られたドキュメンタリー)をはさみ、途中、ちょっと退屈する場面もあったのだが。。。
さて、話は変わって、ローマの中心ヴェネチア広場にヴィットリオ・エマヌエル2世の記念堂がある。
イタリアの統一記念堂だが、第一次世界大戦の無名戦士の墓も兼ねている。
ここに収められている遺体は1体。
この1体を選ぶのには歴史的ストーリーがある。
北イタリアにアクイレイアという町があり、そこに大聖堂があるのだが、そこに戦後、身元不明の若者の遺体が11体集められた。
マリオの母のように、息子の遺体が帰ってこないベルガマスのマリアという女性が、その中からローマへ運ぶ1体を選ぶ役を遣わされた。
大聖堂に入り、11の棺を前にして前に進む。1つ目の棺の前でも大粒の涙を流し、2つ目。崩れ落ちて、もう先に進むことができず、2つ目の棺が選ばれることになった。
それをマリオに掛け合わせたのである。
台本作家の案だそう。
ゆっくりゆっくり3日かけてマリオの棺の乗った列車がローマへ向けて走り、各地で大勢の人に迎えられる。
マリオが乗っているとは知らない父も母も、彼女も親友も一目列車を見に沿道に詰めかける。それを天国で見ているマリオのナレーション。
戦争ドキュメンタリー映画と聞いていたのでハンカチの用意はなし。今度からはどんな映画でもハンカチを用意しようと後悔した1作。
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ワインそっちのけで映画の紹介。
毎週定期的にセレクトされた映画を見ているし、監督との会見もあり、日本でのイタリア映画の復活、発展に微力ながら協力。
さて、少し前に見たものでとても印象に残っている映画が1本ある。
地味な映画で、一般にはあまり受けなかったようだが、私たち某関係者の受けは非常に良かった。
監督のレオナルド・ティベーリ氏はドキュメンタリーに強い人で、ずっとその分野に関わっていたそう。
第二次世界大戦の資料やドキュメンタリー映画は数知れずあるが、第一次世界大戦のものはわずか。そこで現存している貴重なフィルムを使い、映画に仕立てた。
しかし、ドキュメンタリーを映像ただつなげただけでなく、ここにフィクションのラブストーリーをはさみ、これがかなりにくかった。
ストーリーは、一組の若者のカップルに男性の親友がいて、3人とても仲がいい。カップルの男性の名前はマリオ。
そこに戦争が始まり、それぞれ戦地に駆り出され、彼女も軍事工場で働くことになる。
戦時中とはいえ、たまの休みには故郷に帰り3人で会うこともあるのだが、いよいよもうすぐで戦争も終わりそうな頃、マリオが戦死。
いろいろあり、身元がわかるものを持っていなかったため、マリオの遺体は身元不明戦死者となってしまう。
という内容の間にかなりの量のドキュメンタリー映像(本物と、戦後直後に作られたドキュメンタリー)をはさみ、途中、ちょっと退屈する場面もあったのだが。。。
さて、話は変わって、ローマの中心ヴェネチア広場にヴィットリオ・エマヌエル2世の記念堂がある。
イタリアの統一記念堂だが、第一次世界大戦の無名戦士の墓も兼ねている。
ここに収められている遺体は1体。
この1体を選ぶのには歴史的ストーリーがある。
北イタリアにアクイレイアという町があり、そこに大聖堂があるのだが、そこに戦後、身元不明の若者の遺体が11体集められた。
マリオの母のように、息子の遺体が帰ってこないベルガマスのマリアという女性が、その中からローマへ運ぶ1体を選ぶ役を遣わされた。
大聖堂に入り、11の棺を前にして前に進む。1つ目の棺の前でも大粒の涙を流し、2つ目。崩れ落ちて、もう先に進むことができず、2つ目の棺が選ばれることになった。
それをマリオに掛け合わせたのである。
台本作家の案だそう。
ゆっくりゆっくり3日かけてマリオの棺の乗った列車がローマへ向けて走り、各地で大勢の人に迎えられる。
マリオが乗っているとは知らない父も母も、彼女も親友も一目列車を見に沿道に詰めかける。それを天国で見ているマリオのナレーション。
戦争ドキュメンタリー映画と聞いていたのでハンカチの用意はなし。今度からはどんな映画でもハンカチを用意しようと後悔した1作。