(写真は東大寺で行われた松本幸四郎丈の『勧進帳』。
イランから帰ってすぐだったので、諦めた興行だ。
行けば良かったといまだに後悔している。)
2010年度 92冊目
『歌舞伎十八番』
戸板康二 著
隅田川文庫
2003年9月
242ページ 1,470円(本体1,400円+税)
本日二冊目は『歌舞伎十八番』
まぁ、楽しかったこと嬉しかったこと。
おそらく口もと緩ませながら読んでいたのでは。
好きな演目を想像しながら楽しむことは、至福の歓びなどとたいそうなことは言わないが,嬉しくてたまらない。
まずは歌舞伎のお家家系図ではないは,名前襲名などの話から始まる。
かっこいい浮世絵の簡単な図も織り込まれ,飽きずに一気読み。
有名な『暫』の絵の顔はいつ見ても笑けてくる。六代目だとさ。
『勧進帳』においてはやたら長い。人気のある理由などもよくわかった。
六法はふむではなく,ふるがただしい。
結われてみれば,当たり前か(爆)
この『勧進帳』、もとは1時間45分だったそうだが,現在は1時間半。
それを考えると團菊祭で観た團十郎さんの台詞の言い回しは元々とられていたやり方ではないかとも思い始めた。
ただ全体がアップテンポの中、その台詞だけが極端に長かったので、今考えても やはり浮いた感じは拭えない。
『矢の根』は民俗学的な背景から説明されていた。
そして曽我五郎の五郎と云う名。柳田国を出し、御霊(ごりょう)と結びつけていた。
正しいかどうかはわたしにはわからない。
しかし五郎はいろいろな演目に出てくるから、次回からはそれも頭の片隅におきながら芝居を楽しむとしよう。
1. 歌舞伎俳優の家系
2. 團十郎のいえの芸
3. 勧進帳
4. 助六
5. 暫
6. 矢の根
7. 毛抜 鳴神 不動
8. 不破 その他
9. 荒事の演目と演出
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