乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

たわいない徒然   歴史は繰り返される

2018-07-25 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
   写真は大神神社(三輪神社  奈良)  能楽『三輪』






 歴史は繰り返される


        って、ほんとだね。


 うん、痛感するよ。


        色々な場でさ。


 こんな時は、クラゲを見たいな
 

        海月

        水母

        あなたは、どっちのクラゲが好きですか?








 ご訪問、ありがとうございます。



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二代目松本白鸚丈、十代目幸四郎、八代目染五郎、お三方の押し隈   2018年 松竹座にて

2018-07-25 | 舞台・音楽 雑感メモ


   二代目松本白鸚丈、十代目幸四郎、八代目染五郎、お三方の押し隈

 

 七月二十三日

 開場しばらくして会場に入ると、この場所に人がいらっしゃいませんでした。

 これでバッチリぱっちり^^

 

 やっぱり、わたし的にはこの中では、

 新白鸚丈が一番

 

 金太郎ちゃん改め、染五郎ちゃんも幼い頃から、可愛いけどね。

 今や、美少年ですものね。

 あとはどんな役者さんになられるかが、楽しみですわ。

 

 美少年^^

 結構この銘柄の日本酒も好きかも。

 でもね、私の中では今でも染五郎といえば新白鸚丈

 初めて見た勧進帳は、今でも目に焼き付いておりまするでございまする。

 

 しかしながらさみしきかな、歌舞伎

 この先、わたしは歌舞伎を見る機会が減り、

 歌舞伎に変わって能楽やバレエやクラッシック音楽や劇団四季を見ることが多くなるでしょう。

 それもまた、時代

 時の流れなのでございまする。

 


 ご訪問くださり、ありがとう存じます。




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乱鳥徒然

2018-07-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 写真は、馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』 八巻八冊 巻之一より、絵師 歌川豊広の絵
 
 昼夜の芝居に出かけ、疲れた。今後は、歌舞伎に行くことも減るかも知れないような気がしてならない。

 分岐点。充実した時間の確保に重きを置きたい。

 人生において、いろいろ考える時に達したようだ。


 今日は小一時間外に出る以外は、じっくりと書物と向き合おう。






 ご訪問、ありがとうございます。

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馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』 八巻八冊 絵師:歌川豊広 巻之一 東都 曲亭馬琴編次(3枚)

2018-07-24 | 滝沢馬琴
   『馬琴中編読本集成 俊寛僧都嶋物語』巻之一 東都 曲亭馬琴編次


『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』

 俊寛僧都嶋物語 八巻八冊 絵師:歌川豊広

 著者 鈴木重三 編
     徳田 武 編

 1998年
 A5・540ページ
 15000円


   

 先日から楽しんでいる『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』は、巻之一を読了致しました。

 今日からは巻之二から読み進めます

 巻之七では、歌舞伎でおなじみの『俊寛』に近い内容になるのではと期待しています。

   

 巻之一 東都 曲亭馬琴編次には初めに参考図書が記されています。

 馬琴は立派な方だなと、改めて感じました。

 また、江戸時代から参考文献を記す習慣があったことを、ここにきて、遅ればせながら再確認いたしました。

 (22ページ  俊寛僧都嶋物語 巻之一 九ウ)

   


 
 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』
 巻之一 情景が舞台のごとく展開し、想像しながら読むと、それこそ芝居を見ているのとはまた違った深い趣を感じる。

 

 

 

 巻之一は本書では68ページまで

 全体では、460ページ

 

 和本では
 「俊寛僧都嶋物語 巻之一 三十二ウ」と記されている。

 三十二ウ の「ウ」は、山折の裏のこと。
「ウ」となれば、山折の面のことである。 

 

 文も面白いが、絵も見事だ。

 絵師は歌川豊広

 素晴らしすぎて、うっとりと汁が、どこかしこに遊び心が投じられているのが、興味深い。

 

 

 曲亭馬琴
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 曲亭 馬琴
 江戸時代後期
 明和4年6月9日(1767年7月4日)生
 嘉永元年11月6日(1848年12月1日)没
 
 戯作者、読本作者
 読本、合巻、黄表紙、歳時記、随筆
 代表作  『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』
 デビュー作『尽用而二分狂言』


   

 ご訪問、誠に有難うございます。

   
 巻之一 



 

 

 


   

 俊寛僧都嶋物語巻之一終  (『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』 巻之一 最終記述文書 詞)




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馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』 八巻八冊 絵師:歌川豊広 巻之一 自叙 (3枚)

2018-07-24 | 滝沢馬琴
  『馬琴中編読本集成 俊寛僧都嶋物語』


『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』

 俊寛僧都嶋物語 八巻八冊 絵師:歌川豊広

 著者 鈴木重三 編
     徳田 武 編

 1998年
 A5・540ページ
 15000円


    

 先日から楽しんでいるただいまのマイブームブックはこれでございます。

   


 
 『馬琴中編読本集成 第八巻 俊寛僧都嶋物語』
 巻之一 自叙


 

 

 


          曲亭主人




 ここで取り上げるまでもなく、、曲亭とは曲亭馬琴のこと



 曲亭馬琴
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 曲亭 馬琴
 江戸時代後期
 明和4年6月9日(1767年7月4日)生
 嘉永元年11月6日(1848年12月1日)没
 
 戯作者、読本作者
 読本、合巻、黄表紙、歳時記、随筆
 代表作  『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』
 デビュー作『尽用而二分狂言』


    

 ご訪問、誠に有難うございます。

   

 巻之一 自叙

 

 

 


          曲亭主人
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花火     (2景)

2018-07-24 | お出かけ

 2018年7月22日

 自宅近くで、花火をみた。

 家から数分歩いた所の高台からである。


 花火は大和川の向こうに上がっていた。

 おそらく、斑鳩のあたりではないだろうか?

 どこの花火かわからぬが、二人夜空を見上げた。

 
 

 
 
     
 ご訪問、誠にありがとうございます。

     
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七月大歌舞伎 本日松竹座で、昼の部の白鴎丈の『河内山』を観ます。さてさて、仁左衛門丈との違いが楽しみです。

2018-07-23 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

 今日二十三日は、家族と二人で七月大歌舞伎の昼の部を楽しみます。

 昼の部も、演目は馴染みのものばかり。

 今回の昼の部の見ものは何と言っても新白鴎丈(以下、新を省略)の『河内山』

 テレビでは繰り返しみていたのですが、劇場で見る白鴎丈の『河内山』は大変嬉しい。


 以前、松竹座で仁左衛門丈の『河内山』をみたことがあります。

 彼の『河内山』は気高く目をみはるほどの美しさと、したたかな悪の美を秘めた重厚な笑みが印象的でした。

 何しろあの!!!『河内山』!!!で、あれだけ美しく表現できるものかと、目を疑ったことを覚えております。


 さてさて、今回見る白鴎丈の『河内山』

 芝居に熱の入る白鴎丈が関西において『河内山』をどうおさばきになられるかが見ものです。

 
 先日夜の部には、藤間紀子さんがいらっしゃいませんでした。

 何を隠そう、襲名ですのに、夜の部は、白鴎丈は口上のみ。

 今回は『河内山』に出演なさいますので、藤間紀子さんをお見かけできるような気がいたします。

 いつも白鴎丈を支えられておられる日本的超美人の藤間紀子さんは、私にとって憧れの女性のお一人です。


 

七月大歌舞伎
平成30年7月3日(火)~27日(金)
昼の部
一、廓三番叟(くるわさんばそう)

 天下泰平や五穀豊穣を祈る神事を起源とする「三番叟」。本作では、傾城を翁、新造を千歳、太鼓持を三番叟に見立て、華やかに踊ります。
 舞台を艶やかな遊郭、吉原の情景に移した趣向でみせる、おめでたい舞踊をご覧いただきます。

二、車引(くるまびき)

 菅丞相の舎人梅王丸と斎世親王の舎人桜丸は、互いの主人を追い落とした藤原時平への恨みを晴らそうと、時平の乗る牛車に襲い掛かります。それを止めたのは時平の舎人松王丸。実は松王丸と梅王丸、桜丸は三つ子の兄弟で、今は敵味方に分かれて奉公をしています。現れた時平の威光に梅王丸と桜丸は身をすくめ、その場を後にするのでした。
 義太夫狂言三大名作の一つである『菅原伝授手習鑑』の三段目。歌舞伎の様式美で彩られた、豪快な荒事の魅力をご堪能ください。

三、河内山(こうちやま)

 松江出雲守は、腰元奉公をする質屋上州屋の娘浪路を我がものにしようとしましたが、一向になびかないことに立腹し、浪路を幽閉し、手打ちにしようとしていました。上州屋からこの窮状を聞きつけた河内山宗俊は、金目当てに奪還を引き受けます。上野寛永寺からの使僧と偽り、松江邸へと単身乗り込んだ河内山は、出雲守の説得に成功しますが、正体を見破られてしまいます。しかし、慌てるどころか開き直り、啖呵を切って堂々と引き上げていくのでした。
 江戸情緒にあふれ、痛快で歯切れの良い河竹黙阿弥の代表作。大胆不敵で憎めない魅力あふれる河内山を新白鸚が演じます。


四、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

 兄である源頼朝との不和により、源義経は武蔵坊弁慶ら家来と共に都を落ち延び、山伏姿に身をやつして奥州を目指します。安宅の関に差し掛かった一行は、関守富樫左衛門の詮議を受けます。そこで機転を利かせた弁慶は、白紙の巻物を勧進帳として読み上げます。命がけで主君を守ろうとする弁慶に心を打たれた富樫は、一行が義経主従だと見破りながらも、関所の通行を許すのでした。
 全編通して緊張感にあふれ、見所の尽きない重厚な一幕です。新幸四郎が高麗屋ゆかりの武蔵坊弁慶を勤めます。歌舞伎屈指の人気演目をお楽しみください。

夜の部
一、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)

 江戸城松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介を斬り付け、切腹した事件から1年。徳川綱豊の別邸御浜御殿では、年中行事のお浜遊びが催されています。遊びに興じて政事には関心がないように装う綱豊ですが、師の新井勘解由には、赤穂の浪人達に仇討ちをさせてやりたいという心中を明かします。そこへ赤穂浪人の富森助右衛門が、吉良も参上するお浜遊びの見物を願い出ます。綱豊はそれを許し、仇討の意志を探りますが…。
 真山青果の代表作『元禄忠臣蔵』のなかでも、華やかさと迫力に満ち、綱豊と助右衛門の緊迫した肚の探り合いや青果劇独特のせりふの応酬など、みどころの多い新歌舞伎の名作です。

  二代目松本白 鸚
二、十代目松本幸四郎襲名披露口上(こうじょう)

 裃姿の俳優がそろって舞台に並びお祝いを述べ、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎から皆様に、襲名披露のご挨拶を申し上げます。華やかな一幕をお楽しみください。

三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)

 油屋を営む河内屋の次男与兵衛は、放蕩三昧で喧嘩沙汰ばかり起こしています。借金の返済に困り、親からも金を巻き上げようとし、さらに継父や妹にまで手をあげる始末。見かねた母によって、とうとう家を追い出されてしまいます。金の工面に困った与兵衛は、同業の豊嶋屋の女房お吉に頼ろうと店を訪れたところ、両親の慈愛あふれる言動にふれます。もう親に迷惑はかけられないと思った与兵衛は、お吉に不義になって金を貸してほしいと迫りますが、断られてしまいます。金の無心をあきらめ、それならば油を貸してほしいとお吉に頼む与兵衛でしたが…。
 近松門左衛門が描く、現代にも通じる若者の心理や親の情、殺しの場面などみどころの多い世話物の名作です。悲劇を引き起こす刹那的な青年の与兵衛を新幸四郎が勤めます。

   演目説明は全て、松竹株式会社歌舞伎美人より引用





 みなさま、ご訪問、ありがとうございます。



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『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 3 『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』より『望月』

2018-07-22 | 読書全般(古典など以外の一般書)
     『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 3 『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』より『望月』




 
 『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 1
 『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 2 『望月』【詞章】
 『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 3 『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』より『望月』





『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』
 出版年月: 2013年08月
 出版社: KADOKAWA
 著者: 天野文雄 、 土屋恵一郎
 監修: 梅原猛 、 観世清和


 蔵書『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』にて『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』における『望月』を探ることにする。

 私が長年温めてきた素朴な疑問である「真山青果は、なぜ最終場面で綱豊卿が今まさに舞に行く曲として、『望月』を選んだのか」という答えを探すためだ。

 しかし、内容深く書かれている『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』を読んでも、その答えは見つからない。

   


 御浜御殿綱豊卿とは関係はないは、『能を読む-4 信光と世阿弥以後 異類とスペクタクル』の『望月』には興味深い記述がある。

『望月』の名ノリでシテ曰く
かように候ふ者は近江の国守(もり)山の宿、甲屋(かぶとや)の亭主にて候、さてもさても云々
と。 

 能楽では甲屋と名のられるが、元は、滋賀県守山市の「竹 (竹冠に兜)屋 (旅籠屋 はたごや)」
                          兜
であったのも間違えて、兜屋(甲屋)とし、現在の甲屋(かぶとや)となったらしい。

 能楽においてもこのように、間違いによる言葉の変化があることを知った。

    


 漠然と「真山青果は、なぜ最終場面で綱豊卿が今まさに舞に行く曲として、『望月』を選んだのか」というってんそ探ろうとしているが、答えにたどり着けるか否かは定かではない。

   

 みなさま、拙ブログにお付き合いくださいまして、誠にありがとうございます。


  

 仁左衛門丈の写真は、数年前の松竹座のパンフレットから

  
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滝の前に浮かぶ小舟。今朝拝見した奥深い芸術空間は、生涯を通じて忘れることがない一コマのように感じます。

2018-07-22 | 美術・文様・展示物
          写真は、寺の壁





   滝の前に浮かぶ小舟。今朝拝見した奥深い芸術空間は、生涯を通じて忘れることがない一コマのように感じます。



 時々伺わせていただく大変素敵なブログの一つの話。

 まだ話したことのないブログの主は、今日も気高い問題意識を持って記事を書かれていた。

 察するところ、彼女は文章の本業家をされてらっしゃるのでしょうか。


 今日も記事が興味深かったので、次々と前の記事を拝見させていただく。

 彼女は大変お品の良いセンスの良い方で、時には和菓子で季節の虫の灯火を表現されたり、時には花や掛け軸で量をとって客人をもてなされておられるようだ。

    滝(お軸)の前に浮かぶ小舟。

    赤く頰を染めた彼女(ハイビスカス 用 よう)は、滝を見上げる。

    彼女の後ろには、目立たぬ船頭(船頭 体 たい
 
    小舟からは、櫂(かい 留 とめ)が滝から流れる水(空間)をこぐ。

 華道の世界も奥深いと感心し、すがすがしい気分に浸る。

 朝から良質の芸術的空間を拝見させていただくきました。

 あのような素晴らしい空間を作ることができれば、人生が素晴らしく輝くことでしょう。


 今朝楽しませていただいた茶華道の世界に通じるのでしょう奥深い芸術空間は、生涯を通じて忘れることがない一コマのように感じます。

 私も、あのような上品な感性を少しでも磨き歩んでいきたいと思います。



 多くの皆様、ご訪問、誠にありがとうございます。




 

 

 


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『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 2 『望月』【詞章】

2018-07-21 | 読書全般(古典など以外の一般書)


   『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 2 『望月』【詞章】


  

 『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 1
 『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 2 『望月』【詞章】

【詞章】

シテ「これは信濃の国の住人。安田の荘司友治のみ内にありし。小沢の刑部友房と申す者にて候。さても頼み奉りて候友治は。従弟の望月と口論し。あえなく討たれ給いて候。其おりふしは在京つかまつり候ところに。この事かくと承り候間。夜を日についで本国へ罷り下り候ところに。某を路次にて狙うよし申し候ほどに。本国へもかなわず。かなたこなたと仕り。今はふしぎに近江の国守山の宿に。甲屋の主と罷りなりて候。旅人のおん通り候わば。留めてばやと存じ候。
(次第)
ツレ子方「波の浮き鳥住むほども。波の浮き鳥住むほども。下安からぬ心かな。(地取り)
ツレ「これは信濃の国の住人。安田の庄司友治と申しし人の妻や子にてさむろう。さても夫の友治は。望月の秋長に。あえなく討たれおわします。多かりし従類も。みな散り散りになり。頼む木陰も撫子の。花若ひとり隠しおかんと。敵のゆかりの恐ろしさに。思い子をいざない立ち出ずる。
ツレ子方「いずくとも.定めぬ旅を信濃路や。月を友寝の.夢ばかり。
子方「月を友寝の夢ばかり。
ツレ子方「名残を慕う古里の。浅間の煙.立ちまよう.草の枕の.夜寒なる。旅寝の床の憂き涙.守山の宿に着きにけり.守山の宿に着きにけり。
ツレ「ようよう急ぎ候ほどにこれははや。近江の国守山の宿に着きて候。この所に宿を借らばやと思い候。いかにこの内へ案内申し候。
シテ「誰にてわたり候ぞ。
ツレ「これは旅の者にて候。一夜の宿をおん貸し候え。
シテ「心得申して候。さていずくよりいず方へおん通り候ぞ。
ツレ「これは信濃の国より都へのぼり候。
シテ「あら痛わしや。女性上臈のおん身として。幼き人を伴い。はるばるのおん心づくし推量申して候。今夜はおん心安くおん泊りあろうずるにて候。こなたへおん入り候え。言語道断。ただ今の旅人をいかなる人ぞと思いて候えば。いにしえのおん主安田の荘司友治の妻や子にて候はいかに。やがて名のって力をつけ申さばやと存じ候。いかに申し候。今は何をかつつみ申すべき。これこそいにしえ信濃の国にて召し使われし。小沢の刑部友房にて候。かいなき命ながらえて。三世の主君に会い奉れば。嬉し泣きの涙の.覚えずこぼれ候。
ツレ「さてはいにしえの小沢の刑部友房か。あら懐しやとばかりにて。涙にむせぶばかりなり。今は何をかつつむべき。これは安田の荘司友治の.妻や子供の果しなり。
子方「父に会いたるここちして。花若小沢にとりつけば。
シテ「われも主君にとりつきて。別れし主君の面影の。残るも今は懐かしやと。主従手に手を.取りくみて。
地謡「今さら人の別れさえ。思い出でられて.袂のかわく.隙もなし。今までは行くえも知らぬ.旅人の。行くえも知らぬ旅人の。三世の契りの主従と。頼む情もこれなれや.げに奇縁あるわれらかな.げに奇縁ある.われらかな。
ワキ「帰る嬉しき古里を。帰る嬉しき古里を。誰憂き旅と.思うらん。(地取り)
ワキ「これは信濃の国の住人。望月の秋長にて候。さても安田の庄司友治と口論し。念のう友治を討って候。この事上に聞こしめされ。聊尓の者とやおぼしめしけん。某が本領ことごとく召し離されて候を。この度在京つまかつり。よき縁をもって申しひらき候えば。本領ことごとく返し申されて候。安堵の御教書を頂き。ただ今本国へ罷り下り候。急ぎ候ふほどにこれははや。近江の国守山の宿に着きて候。いかに誰かある。しかるべき所に立ち越え宿を借り候え。また某が名字ばし申し候な。
狂言「心得申して候。さてもさても目出たき事かな。頼うだる御方の御訴訟も叶い。御下りは思召ままの御事にて候。さて御宿をとり申そうが、今夜は初宿ぢゃ程に。ずいぶん好い宿がとりたいものぢゃが。どこ許がよかろうぞ。やあやあ甲屋が大きな宿ぢゃと言うか。さらば甲屋に致そう。これは大きな宿かな。いかにこの内に案内申し候。
シテ「誰にてわたり候ぞ。
狂言「頼うだる御方を御伴申して候。御宿を申され候らえ。
シテ「安きことお宿参らしょうずるにて候。またあれにござ候おん方のご名字をば誰と申し候ぞ。
狂言「おおあれこそ、信濃の国の住人。望月の秋長ではおりないぞ。
シテ「いや苦しからぬ事こなたへおん入り候え。
狂言「心得申し候。
狂言「いかに申候。お宿をとり申して候。こうこう御通り候え。
ワキ「近頃お宿祝着申して候。
シテ「こなたへおん入り候え。言語道断、ふしぎなる事の候。花若殿のおん親の敵。望月がこれへ着いて候。やがてこの由申し候べし。いかに申し候。旅人にお宿参らせて候間。こなたへおん出で候え。いかに申し候。なんぼうふしぎなる事の候。ただ今この屋の内へ望月が着いて候。
子方「いかにもして討ってたまわり候え。
シテ「ああ音高や候。かように申す内に案じ出だしたる事の候。おん身はこの辺りの盲御前におんなり候いて。花若殿におん手を引かれ座敷におん出で候え。自然謡を所望申し候わば。何にてもおん謡い候え。われらは酒を持ちて参り候べし。
ツレ「嬉しやな望みし事の叶うぞと。盲の姿に.出で立てば。
地謡「かの蝉丸の.いにしえ。かの蝉丸のいにしえ。たどりたどるも遠近の。道のほとりに迷いしも。今の身のほどの。思いはいかで.まさるべき。かかる憂き身の業なれば.盲目の身の習い歌。聞こしめ召せや旅人よ。聞こしめ召せや.旅人よ。
シテ「これはこの屋の主にて候が。酒を持ちて参りて候。
ワキ「近頃祝着申して候。さて今の謡の声は誰にてわたり候ぞ。
シテ「さん候是はこの辺りの盲御前にて候が。おん旅人のござ候えば罷り出でて謡い申し候。
ワキ「さらば一節所望候え。
シテ「畏って候。何にても面白からん事を一節おん謡い候え。
ツレ「一万箱王が親の敵を討ったるところを謡い候べし。
狂言「いやいやそれは差合がある。余の事を御謡い候らえ。
ワキ「いや苦しからぬこと。ただ謡わせ候え。
狂言「畏って候。さあらばそのた次第、何にても一節御謡い候らえ。
地謡「それ迦陵頻はかいごの内にして.声諸鳥にすぐれ。鷙という鳥は小さけれども。虎を害する.力あり。
ツレ「ここに河津の三郎が子に。一万箱王とて兄弟の者のありけるが。
地謡「五つや三つの頃かとよ。父を従弟に討たせつつ。すでに日行き時来たって。七つ五つになりしかば。
ツレ「いとけなき身の心にも。
地謡「父の敵を討たばやと。思いの色に出ずるこそ.げに哀にぞ.覚ゆる。
〔クセ〕ある時おとといは。持仏堂に参りて。兄の一万香をたき。花を仏に供ずれば。弟の箱王は。本尊をつくづくとまもりて。いかに兄御前きこしめせ。本尊の名をばわが敵。工藤と申し奉り。剣をひっさげ縄を持ち。われらを睨みて。立たせたもうが憎ければ。走りかかりておん首を.うち落さんと申せば。兄の一万これを聞き。
ツレ「いまいまし。いかなる事ぞ仏をば。
地謡「不動と申し敵をば工藤というを知らざるや。さては仏にてましますかと。抜いたる刀を鞘にさし。許させたまえ南無仏.敵を討たせたまえや。
子方「いざ討とう。
狂言「討とうとは。
シテ「暫く。何をおん騒ぎ候ぞ。
狂言「いざ討とうとおっしゃるによっての事でござる。
シテ「いざ打とうとは羯鼓を打とうとのおん事候よ。
狂言「羯鼓ならば羯鼓とおっしゃらいぞ。聊爾なる事をおっしゃるに依っての事にて候。
ワキ「また亭主は何をつかまつり候ぞ。
子方「亭主には獅子をご所望候え。
ワキ「日本一の事を申す者かな。さらば羯鼓ののち獅子を舞うておん見せ候え。
シテ「某は獅子舞うたる事はなく候えども。御意にて候ほどに拵えて参ろうずるにて候。その間に幼き者に鞨鼓をおん打たせ候え。
<中入>
(子方物着)
(狂言独白)
狂言「いかに幼き人へ申し候。亭主の身ごしらえの内。羯鼓を打って御見せ候らえや。
子方「吉野初瀬の花もみじ。
地謡「更級越路の。月雪。
<羯鼓>
子方「獅子団乱旋は時を知る。
地謡「雨むら雲や。奏すらん。
<獅子ノ舞>
地謡「あまりに秘曲の面白さに。あまりに秘曲の面白さに。なおなおめぐる盃の。酔もすすめばいとどなお。眠りも来たる。ばかりなり。
シテ「さるほどにさるほどに。
地謡「おりふしよしとぬぎ置く獅子頭。または八撥を打てや打てやと。目をひき袖をふれ。立ち舞う気色に戯れ寄りて。敵を手ごめにしたりけり。
ワキ「こは何者ぞいかなる者ぞ。
子方「おん身の討ちし安田の荘司友治が。その子に花若われぞかし。
ワキ「さてまた亭主と見えしは誰なれば。かほどに我をばたばかりけるぞ。
シテ「小沢の刑部友房よ。
ワキ「あらものものしとひったてゆけば。
シテ「ひきゆする。
ワキ「振れども切れども。
シテ「放さばこそ。
地謡「この年月の怨みのすえ。今こそかえせ望月よとて.思う敵を討ったりけり。思う本望とげぬれば。やがて故郷に立ち帰り。かの本領を友治の。子孫に伝え今の世に。その名隠れぬおん事も。弓矢のいわれなるらん。弓矢のいわれ.なるらん。

 

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『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 1

2018-07-21 | 舞台・音楽 雑感メモ


   『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は、なぜ『望月』なのかを探るために。 1 



 

 

御浜御殿綱豊卿

御浜御殿は甲府徳川家の下屋敷で、あるじは後に六代将軍家宣となる徳川綱豊。綱豊の寵愛を受ける中臈お喜世に、今日のお浜遊びを隙見したいと懇願しているのは、義理の兄の赤穂浪士富森助右衛門でした。実は今日の客の中に吉良上野介がいるのです。とりあえず祐筆江島のはからいで許されますが、さらに何と綱豊自らが助右衛門に対面します。綱豊は浪士たちに仇討ちをさせたい心情を学問の師新井白石に打ち明けていましたが、浅野家再興の話が持ち上がり、再興と仇討ちは両立できないと困惑していたところでした。綱豊と助右衛門のあいだに、仇討ちを巡って激しい論議が展開します。そしてその夜更け。上野介が余興の能の装束を着けて舞台へ上がると思い、槍で襲い掛かった助右衛門。しかしそれは綱豊卿その人でした。綱豊は「身のほど知らずの大たわけ、それは天下義人の復讐とは云われぬ、道理が分からぬか」と助右衛門を打ち据えるのでした。

 

 

望月(もちづき)
  【分類】四・五番目物 (現在物)
  【作者】不詳
  【登場人物】 面 装束

シテ(前)直面 段熨斗目、素袍上下
シテ(後)直面 赤頭、段熨斗目、厚板唐織壺織、白大口、腰帯、白鉢巻
ツレ 安田荘司の妻 曲見 鬘、箔、唐織着流
子方 花若(安田荘司の子)厚板、白大口、腰帯
ワキ 望月秋長    厚板、掛素袍、白大口、腰帯

間狂言 望月秋長の従者 縞熨斗目、狂言裃


 安田荘司友治(やすだのしょうじ・ともはる)とは、(荘司(荘園の管理者)につく安田友春)  
 従兄弟の望月秋長と荘園における争いで口論となり、望月秋長に殺害された人物。

 

 



 ご訪問誠にありがとうございます。


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地下道に咲くひまわりを見た方々の、基本的な行動パターンを、しばし観察する。  なんばウォークにて

2018-07-21 | お出かけ


          

 なんばウォークを歩いていると、気がついただけで二箇所にひまわりが咲いていた。

 あまりにも鮮やかな黄色。

 このひまわりを見た方々の、基本的な行動パターンはこうだ。

 
   「綺麗。」
   と言う歓声。

   『本物か?』
   と疑い、近寄って覗き込む。

   「生花だ。」
   と言って、喜ぶ。

   スマホを取り出し、撮影し、その場をさる。


 夫を脇に、しばらくひまわりに導かれる人ぶとの姿を見ていた、観察の成果である。


                        おわりん


           

 ご訪問くださいまして、誠にありがとうございます。

          
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松本白鴎丈・松本幸四郎さんの松竹座における襲名披露の緞帳    (2景)

2018-07-21 | 舞台・音楽 雑感メモ


 

 家族とともに、松竹座 夜の部に行く。

 今回の緞帳は下のデザイン。

 惜しいことに、緞帳右下のヤマザキパン製菓の文字がほんの少し、多分数センチほど上すぎる。

 デザイナーも構図的なことはわかっていたと思うが、今の位置の方がヤマザキパンという文字が観客の目につきやすいがためにあえて上に指示を仰いだのであろう。

 また、今の位置だと、前列の観客が立った時でもヤマザキパンの文字を見ることができる。

 末広がりの位置にヤマザキパンの文字があり、白鴎丈や染五郎さんの襲名の文字よりも目立つのが、口惜しい。

 せめてリボンをもう少し左に長く伸ばしリボンのうわあげそり具合に合わせて襲名の文字が記されていれば、もっとお二人のお名前が目立ったのに…。

 一回の後部から緞帳全体を眺めると、襲名の文字とデザインとの繋がりが薄いのが問題だ。

 どなただデザインをされたのでしょうといらぬ勘ぐりをしてします。

 私的には、構図がしっくりとなじまない。


 同じデザインでトヨタ自動車などの会社の文字が産業に渡って記されたものがある。

 同じデザインであるのに参列の文字が末広がりの比較的上から記される地違和感が感じられないのが不思議だ。

 
 同じデザインであるのに、送り主が違うのはどういう理由なのか?

 色々な理由が考えられるが、想像の域なのでここでは割愛したい。


 幸四郎さんの緞帳で、草間彌生さんデザインのものがある。

 草間彌生さんといえば、あのかぼちゃ(笑い)のアーティストである。

 草間彌生さんの絵がデザインされた緞帳は、おそらく歌舞伎座で披露されたと思うが、定かではない。

 草間彌生さんにデザインが特別好きというわけではないが、彼女の描いた緞帳は観客の開演までの待ち時間が楽しい気分になるだろうと感じる。


 色々な役者さんや色々な舞台の、緞帳の展覧会があれば、見てみたい。

 その節は東京だけではなく、ぜひ関西でも披露していただきたい。

 

 

 今回見た演目は次の通り

  夜の部
元禄忠臣蔵
御浜御殿綱豊卿 4:15-5:50

幕間 20分

二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎
襲名披露 口上 6:10-6:30

幕間 30分

女殺油地獄 7:00-8:45

 次回は昼の部。

 白鴎丈の『河内山』に期待をかけている。


 昼の部
廓三番叟 11:00-11:20

幕間 10分

菅原伝授手習鑑
車引 11:30-12:00

幕間 30分

天衣紛上野初花
河内山 12:30-1:35

幕間 25分

歌舞伎十八番の内 勧進帳 2:00-3:10

 

 

 


歌舞伎
松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露

七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第二十七回
会場 大阪松竹座
日程 2018年7月3日(火)~27日(金)




 ご訪問、誠にありがとうございます。
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フットネスクラブから、プール・スポーツジムへの移籍。今月(後半あと1/3)は、2ジムに通う。

2018-07-20 | 乱鳥徒然 Rancho's room.


 某fヒットねスクラブの友人知人紹介強制勧誘が凄まじいことを家族に告げると、家族は自分の通うスポーツクラブに連れていってくれた。

 
 フロントで鍵を受けとり、ロッカールームへ。

 その後マシーンルームに足を運んだ。

 部屋に入ると、女性15人くらいに対して、男性は5人程度。

 それぞれがそれぞれの時間を楽しまれている。


 夫が、サイクルマシーン(?)へと誘導してくれる。

 使い方を教えてくれ、少し戸惑っていると、右横の女性が、具体的な使い方を教えてくださった。

 親切だ。


 初めてなので、短時間で自転車を降り、次の機械へと進む。

 夫が付き添ってくれてはいるものの、どれをこなしていいかわからない。

 そのうち、ベテランらしき男性が、
「あの人に聞いたら教えてくれるよ。」
と、女性スタッフを指差した。

 女性スタッフはすぐに駆けつけてくださり、5機の使い方を親切丁寧に教えてくださった。


 マシーンは手強かった。

 今月から通っていたフィットネスに比べ、負荷が大きい。

 負荷を一番小さくして機械に挑んだが、それでもマシーンは私に挑発し、あざ笑う。

 これまでのマシーンの負荷が軽トラだとすると、夫が連れてくれたクラブのマシーンは、きらびやかにネオン等を飾り付けた大型トラックであった。


 私は一通り満足がいくまで、いや、ヘトヘトになるまで、機械で遊んだ後、マットへと向かう。

 ストレッチのビデオがかかっていて、座ストレッチの方法が流されていた。

 
 私は機嫌よく、こわばった体をマットになじませるように努力する。

 おそらく周りから見ていれば、古雑巾を二、三昧重ね合わせて絞ろうとするが、絞りきれない痛々しさが感じ取れたのではないだろうか。

 そんな運動音痴の私を見て、運動音痴の夫がにこやかに見守ってくれる。


 コーチが、肩こりに効くという機物の良いストレッチを教えてくださった。

 親切な方だ。

 
 座ストレッチと立ストレッチが一通り終わる。

 気がつけば、夫は、腹筋マシーンと格闘していた。

 少し座って待って板が一向に止める気配はない。

 時間が勿体無いや!とばかりに、私は初めに楽しんだサイクルマシーンに座る。

 またもや、コーチが駆けつけてくださり、親切に指導をしてくださった。


 腹筋で満足のいった夫が、真横まで駆けつけてくれる。

 私は消費カロリー目標までこなして、マシーンを降りた。


 疲れた。

 山登りのその日の工程を終え、テントをはり夕食後、足を投げ出したような感覚を思い出す。


 トレーニングルームを出てすぐのところには、ベンチがあった。

 ヘトヘトの私に、夫はたたみ込んで言う。

「さ!プールに行こう。」


 私は体裁良く断った。

 断ったつもりだが、泳ぎは好きな私である。

 魔が差した。

 二人は男女それぞれ別のロッカールームに向かう羽目に相成った。


 ロッカールームでは、40歳くらいの女性が、初めての私に声をかけてくださった。

 色々なお話をしてくださり、その間約二十分。

 一通りのお話を聞き終えたところで、私は夫の待つプールサイドへと急ぎ向かった。


 シャワーを浴びる。

 すぐにプール監督に当たられていた女性コーチが、駆けつけてくださり、コースの利用法を教えてくださった。


 一つのレーンは、歩行。

 別のレーンは50メートル

 また、25メートル泳ぎきりのコースや、途中で足をついても良いコースも用意されていた。

 他にも説明していただいたが…忘れた。


 私は、途中で足をついても良いコースで楽しんだ。いや。苦しんだ。

 久々のプールも、手強かった。

 昔スピードの遅かった平泳ぎで50メートルを泳ぎ切った。

 だが、スピードが出たはずのクロールは無残だった。完敗。途中で、足をついた。

 自分では若いつもりであったが、体の衰えは、深刻であった。


 心臓がパクパクばくばくと高鳴った。

 まるで能楽のカケリの小太鼓のようなリズムの心臓音。

 つらいがしかし、心地の良い響きであった。


 久々のプールは、100メートルで抑えた。

 近日中に足をつくことなく、25メートル50メートルと泳ぎきる体力と技術を身に付けたいというジレンマにかられた。


 夫が待っているのので、髪も乾かさずまとめあげ、帽子を被ってロッカールームを出た。


 帰宅後、ドライヤーで髪を乾かす。

 幸いプールの塩素がきつすぎなかったせいか、髪は痛まなかった。

 毛をストレートに伸ばし、しばらく休む。

 
 小一時間体に休養というおやつを与えた後、今月通っているフィットネスクラブに向かう。

 夕刻のフットネスクラブは、人が少ない。

 たまたま、フットネスクラブの同じ派手な柄のショッキングピンクのTシャツを着た人達ばかりが、運動を楽しんでおられる。


 毎度感じていたことがある。

 同じTシャツを着てベルトコンベアーの流れ作業のように運動をこなすその場の女性群の姿は、一瞬、何か不可思議な宗教のようにも感じられるのが不思議だ。


 私は女性らしいデザインの、辛子色のシンプルなTシャツを着ていた。

 私にはあのような大きな柄物のTシャツを身につけることはできない。

 何か場違いな気がする。


 一通りの運動をこなし、その日(昨日)はストレッチは行わず、コーチの元へと向かう。

 七月いっぱいで辞める旨を伝えると、手続きの予約日のための予約が必要と、まどろっこしい事をおっしゃる。

 理由を尋ねると、すぐに上司のコーチが駆けつけ、対応をしてくださった。


「解約をお急ぎですか?」

「急いではいませんが、今月末日で、解約します。手続きは今日踏んでください。」

 色々と詮索し、多くの質問をされてきたが、
「別に理由はございません。」
の一点張りで、その場をしのいだ。

 私の退会は固い意志であると見てとったリーダー的存在のコーチは、タブレットを手に、解約の手続きを進めてくださった。


 今月末の解約ですので、末尾までの運動可能な旨を再確認した。

 最後の日にカードを返却約束を交わした。


 コーチ曰く、
「後二日早ければ、全額返金できたんですよ。」
と。

 私は、全額返金などさらさら考えたこともなかったし、これだけ楽しませていただいたのだから、お代金は支払うのが当然であると伝え、礼を述べた。

 逆に、今月いっぱいで解約するにあたっての300円ばかりの手数料がどうして要らないのかとお尋ねしたほどだ。

 これに関しては、コーチもわからないらしい。


 女性ばかりのフィットネスクラブの解約確定を胸に、私は昼間家族と楽しませていただいたスポーツジムに向かった。

 フロントの女性やスポーツコーチは覚えていてくださった。

 入会したい旨を伝えると笑みは増し、手順良く手続きを踏んでくださった。


 写真を撮ってくださるという。

 しかしながら私は、化粧もせず、辛子色の無地のTシャツであった。

 一瞬ためらったが、この歳で化粧を直して来るという神経も、若い方からみれば痛いかもしれない。

    サァ、どうにでもナレィ!まな板の、鯉デェ!

 私は諦め、構えられたタブレットに向かって作り笑顔を投げかけた。

 スタッフ曰く、
「目鼻立ちは大きくてはっきりされたお顔なので、素顔OKですよ。」
と。

 慰められているのか、いやいや…違う。
 私って、労られてるの?と、自分が愛おしくなった。


 入会書類を手に帰宅した私をみての家族の喜びは格別であった。

 これから、毎回一緒に通うわけでもないのに、何か嬉しかったらしい。

 私が内心
『これで夫婦お互いに、元気でいられる時間が少しでも伸びるかしらん。』
と、ほくそ笑んだ。

 


 

 ご訪問、誠にありがとうございます。
 

 


 
 


 

 
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某フィットネスクラブの現状に、はたと困りはてる。ポジティブ、上等。平常心是道。我はただひたすら、我が道を歩む。

2018-07-19 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 今月に入って機嫌よく通っているフィットネスクラブのこと。

 日を追う毎に、体は良い方向に目に見えて変化している。

 体は少し柔軟性を帯び、筋肉のコリは少し和らぎ、足と腕の筋肉は目に見えてついている。

 気分も良好。体を動かした後は、楽しくてならない。


 他にも変化は大きい。

 楽しそうな姿を見た運動音痴の夫が、スポーツジムに通い始め、個人レッスンを受け、ジムで遊んだ後、プールで泳いで帰ってくる。

 彼もまた、晴れやかな顔で楽しそうだ。

 あまり飛ばしすぎなので、私は、少し抑えるようにと注意を促すほどである。


 ところが、である。

 昨日から私の心は少し穏やかではない。

 プロテインを勧められるなら断ればいいのだが…

 友人や知人を紹介しろとただ事ではない様子に驚く。


 その方法は詰め将棋のようである。

 手書きコピーのを出してきて、いかに筋力や体を動かすことが大切かといったわかりきった内容を改めて悟らせる。

 友人や知人にも必要であることを、とくとくととく。

 とくとく とくとくである。


 友人や知人との関係を聞き出す。

 友人や知人の名前を聞き、連絡しろという。

 六時にローテーションを組むので、六時までに電話をしてくるようにと強引だ。

 まるで一部の問題に上がる自然食品の悪徳商法である。


 私は相手の質問に動じるような人間ではない。

 もちろん、友人や知人のことは一切架空人物を告げる。

 夕刻、こちらから電話せずにいると、午後六時すぎに電話が鳴る。

 私が受話器に出た途端、電話は切れた。


 そういえば、毎回、蛋白点数を聞いてくる。

 独自のプロテインの販売につなげるためである。

 私は毎日バランスよく調理をし、また、肉魚乳製品豆なども過分はあっても不足はない。

 引っかかりそうな人物には見えないらしく、プロティンの勧誘は今の所はない。


 キャッチセールスに声をかけられたことのない私。

 おそらく鬼の形相なのか、そいった輩からは声をかけにくいらしい(笑い)

 しかしながらここにきて、強引なる個人情報の引き出し。

 集合体を間違えたと後悔し始める。


 一方、夫が通うスポーツジムは、そういった勧誘は、今のところは無いらしい。

 プロテインなども取り扱っているらしいが、みんな自由に過ごしているとのこと。

 入会金等は勿体無いとはいえ、移籍しようかと真剣に考え始めている。

 それとも、体の調子はいいので割り切って続けるべきか、つまらないことで悩ませるフィットネスクラブである。


 良かれと思いフィットネスクラブに行き、ネガティブな方向に流されるのはたまったものじゃない。

 ポジティブ、上等。

 KY風を装って参加せねばならぬ集合体には、困り果てる。

 KY上等、ポジティブ、上等。平常心是道。我はただひたすら、我が道を歩む。


 


 ご訪問、誠にありがとうございます。
 

 

 
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