写真は、『枕草子絵詞』日本絵巻大成10 中央公論社『葉月物語絵巻・枕草子絵詞・隆房卿艶詞絵巻』
『枕草子』 3 九〜十一 日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注
『枕草子』 1 一〜六
一 春はあけぼの
二 頃は
三 正月一日は
四 三月三日は
五 四月、祭りの頃は
六 おなじことなれど、きき耳ことなるもの
七 おもはん子を
八 大進生昌が家に
九 うへにさぶろふ御猫は、
十 正月一日 三月三日、
十一 よろこび奏するこそ
九 うへにさぶろふ御猫は
うへにさぶろふ御猫は・・・・いみじうをかしければ・・・・
「あなまさやな。入り給へ。」
一方、犬の翁丸、よく吠えるので、
「この翁丸うちてうじて、犬島へつかわせ。ただいま。」
と仰せられると、くろうどの二人は犬を打つや打つや。
「あないみじ。犬を蔵人二人して、うちたまふ、・・・・・・てうじしたまふ」
・・・・・・
「右近なら見知りたる。呼べ。」
とめせば、参りたり。
・・・・・・
「打ちころして、棄て侍りぬ。」
二人して打たんには、「侍りなむや。」
・・・・・・
「あはれ。昨日翁丸をいみじうも打ちしかな。死にけむこそ、あはれなれ。・・・いかにわびしき心地しけん。」
・・・・・・
このゐたる犬のふるひわななきて、なみだをただおとしに落とすに
・・・・・・
「さては、翁丸か。」
・・・・・・右近の・・・、
「かくなん。」
・・・・・・
「なほこの顔などもはれたる、物のてをさせばや。(薬を入れた料理(えさ)をあげましょう)」
・・・・・・
「あさまし・・・・・・・・・・・・」
と笑わせたまふ。
忠隆(ただたか)ききて台盤所(だいばんところ 料理を作る所)の方より
「まことにや侍らん。かれ見侍らん。」
といひければ
「あな、ゆゆし。」
・・・・・・犬があわれがられ・・・・・・
なほあはれがられてふるひなき出でたりこそ、よに知らずして、あはれなりしか。人などこそ、人にいはれて泣きなどはすれ。
十 正月一日 三月三日、
美しい表現。
十一 よろこび奏するこそ
よろこび奏するこそをかしけれ。うしろを任せて、御前のかたにむがひてたるを。拝し舞踏し騒ぐよ。(と、十一は、短い)
日本古典文学大系 19 枕草子/紫式部日記
『枕草子』
清少納言
平安時代中期 (1001年完成)
枕草子(まくらのそうし)とは、平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆。
ただし本来は、助詞の「の」を入れずに「まくらそうし」と呼ばれたという。
執筆時期は正確には判明していないが、長保3年(西暦1001年)にはほぼ完成したとされている。「枕草紙」「枕冊子」「枕双紙」とも表記され、古くは『清少納言記』『清少納言抄』などとも称された。(ウィキペディア)
『枕草子』 1 一〜六(春はあけぼの、頃は、正月、三月、四月、きき耳ことなる)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注
一 春はあけぼの
二 頃は
三 正月一日は
四 三月三日は
五 四月、祭りの頃は
六 おなじことなれど、きき耳ことなるもの
『枕草子』 2 七〜八(おもはん子を、大進生昌が家に)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注
七 おもはん子を
八 大進生昌が家に
『枕草子』 3 九〜十一(うへにさぶろふ御猫は、正月一日 三月三日、よろこび奏するこそ)日本古典文学大系 池田亀鑑・岸上慎二校注
九 うへにさぶろふ御猫は、
十 正月一日 三月三日、
十一 よろこび奏するこそ