週末、ともだちがうちにきてお鍋をした。
冬の間にはいちどもせず、
春になってから、やおら熱々の鍋を囲んだりする。
ところで、このともだちは
私の記憶にある限り、
小さな小さなちいさな約束をも
きちんと果たす女性である。いや、約束とまでも行かない、
「こんど〇〇しようよ」
「お、いいね」
のような何気ない会話の内容さえ、
たとえ数ヶ月後になっても
完全に実行に移さはる人。
10年のつきあいだが、
彼女のそういうところに気づいたのは
ごく最近のことだ。
えっ、そういえばアレもコレも…
以前言ってたヤツだ…
さかのぼれば
あの時も、この時も そうだった…
それに気づいたとき
「ハッ」としたものである。
つまり社交辞令を全く言わない人である。全く、である。
彼女が「いいね」と言わないときは
きっと本当にしたくないことなのだろう。
社交辞令。
社交辞令自体を
べつに否定や嫌悪したりしないよ。
白黒つけない、つけなくていいジャンルは
必ず存在すると思うし。
わたしも
「そうですね、またいずれ」
などと言って笑顔で退散すること、ある
(でもともだちには言わないな)。
また、決して社交辞令のつもりはなくても、
いろんな機微があるように思う。
その内容が
お互いの間で旬じゃなくなってしまったり、
タイミングが悪かったり、
状況が変わったり
暗黙の了解で自然とキャンセルになる約束もあるだろう。
むしろそうしたほうがよい場合さえ
あるかもしれない。
また、忙しい相手を気づかって
約束をなかったことにする優しさもあるだろう。
また、忘れられた約束に見えて、
相手は数年越しに果たそうと思っている場合だってあるだろう。
(これは私もそうしようと思っている件がある)
だから
社交辞令を全く言わないこと、
雨が降ろうが槍が降ろうが100%約束を果たすことを
礼賛しているわけじゃない。
だけど
実現した約束が
小さなものであればあるほどしみじみうれしいんだよなぁ。
ほんっとに。
わたしは、
約束は
実行するほう
だとおもう。
でも彼女ほど、
ちいさな約束を果たしているかと言えば、
きっとそうでないように思う。
貸してあげるねと言ってた本を
つぎ会う時に
テーブルに差し出し、差し出されること
そういうことのうれしさよ。。。。