私がいまやっているバンドは
「一乗寺ハリソン」というのですが、
わたしは左京区にある「一乗寺」という地を
こよなく愛しています。
一緒にやらないかと
声をかけてくれたバンドの名前が
もともと「一乗寺ハリソン」だったのです。
曲を知らない段階では
名前にも惹かれたところもありました。
「一乗寺ハリソン」という名前の由来については
メンバーに詳しく聞いたことはないのですが、
とにかく、そっかジョージハリソン!!
と、たまげたものです。
うちのメンバーは
アドリブ演奏にとても強いのですが
一乗寺にあるスタジオで
何年間もジャムセッションを重ねつづけて
お互い鍛えられたのだと、
聞いたことがあります。
私は、一乗寺の川向こうの街で生まれました。
高校生になり、
ロックにハマりだした頃から
しだいに一乗寺に縁ができていきました。
バンド仲間が一乗寺在住だったり
好きなエスニック屋があったり
すきな本屋があったり
ロックの品揃えが良いレンタル屋があったりと
放課後は高野川を越えて
よく一乗寺にいました。
生まれた街よりも
いま住んでいる近隣の街よりも
一乗寺の空気感が
断然 好きなのです。
どうしようもなく
落ち着くのです。
「街」の佇まいを
ほかの街よりもはっきり感じられるのです。
失くしたくない感覚や
失いたくない記憶や
そんなものと街の風景が
ひじょうに馴染むのです。
一乗寺にいると
特に秋なんかは
空がとても青い気がしてしまう。
午後のうららかな一乗寺の表通りと
裏通りのひなびた平和なかんじ。
夕闇の一乗寺駅の
センチメンタルさとか。
オレンジ色の街燈の灯りに照らされて
ぼんやり霞む夜の曼殊院通とか。
ガヤガヤした表通りの灯りを
遠目に見ながら
夜の公園でともだちと
ブランコ漕ぎながら語らったりよくしていた。叡電が走っていることも
おおきなポイントです。
叡電だいすき
でも一乗寺で暮らしたことは
一度もない。
がんばって働いて
いつか一乗寺にもう一軒家を買いたいくらい
たまらなく好きな街なのです。