いきなりだけど、
いちばん好きな曲に
ブルーハーツの「青空」を挙げるひとに
わるい人なんかいるわけない気がしてしまう。
とても偏見だけど。
近所にブルーハーツをこよなく愛するハセガワ夫妻が住んでいる。
息子のともだちの親。
ハセガワさんはいつも
「子育ての話とか、
仕事の話とか、
そんなんじゃない話を、
ママじゃない話を
あなたとはしたいんですよ」
と言っては、
主にロックな話を振ってくる。
それで
「フジロック行きてえなあー」
「それよりアラバキロックフェスもいいよ」
「子供居るのにムリか」
「いまはしゃーないな」
「でもクラブメトロとか磔磔ならいけるよ」
とかしゃべりながら
夕刻、保育園からの帰り道を歩く。
息子とハセガワ君は
とても仲がいい。
彼らはわたしたちのはるか前方を
夕焼けの西の空に向かって踊るように歩いていく。
女のわたしたちにはようわからん男子特有のノリで。
親と居るときとは
まったく違う顔を見せて。
そんな彼らを見ると
ブルーハーツの「街」という歌の歌詞を思い出す。
『アスファルトだけじゃない
コンクリートだけじゃない
いつか会えるよ
おなじ涙を
こらえきれぬ友達と きっと会えるよ
毒ガスばかりじゃない
泥水ばかりじゃない
いつか会えるよ
同じ気持ちで
爆発しそうな仲間と きっと会えるよ
見せかけばかりじゃない
口先だけでもない
いつか見るだろう
同じこぶしをにぎりしめて立つ人を
いつか見るだろう
そのとき おまえには
なにが言えるだろう
そのときともだちと
何を話すだろう』
そんな人にわたしも出会ってきたし
今も出会っている。
そういう友達と
これから出会っていくんだよなきみたちは。
それで母ちゃんには言えないようなまじめな話をするんだよね
そういうの、いいな。