阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

事務所にやってきた高校生

2007年09月01日 00時21分37秒 | 政治
 8月は今日で終わりですが、暑い日が続いていますね。 

 連日、名簿などの情報整理をしながら、自転車に乗って街宣活動を行っています。地味な活動の繰り返しですが、多くの方々に温かい声を掛けて頂き、本当に勇気をもらっています。

 さて、昨日は高校生が事務所にやってきました。

 自転車街宣活動の合間、喉が渇いたのでコンビニで「キレートレモン」を飲んでいたら、「頑張ってくださーい!」と高校生のグループが元気良く挨拶してくれました。みんな明るい子だったので、「勉強も頑張ってよ!」と言ったら、「ありがとうございまーす!」と照れながら、みんなで手を振って見送ってくれました。

 ここまではよくあることなのですが、その一人が、突然、私の事務所にやってきたのです。

 ビックリしましたが、少し話をしたところ、彼は家出を考えているとのこと。家庭内のトラブルでお父さんが家を出てしまい、お母さんが働いているけど、大学に行くのは経済的に無理なので、勉強する気がなくなってしまった。東京にでも出て働きたいと言うのです。

 話を聞いていると、とても気の毒だと思いました。高校を中退することが必ずしも悪いとは限りませんし、自立を目指す考えは立派だと思います。しかし、厳しいようではあるけれど、私には今の生活からの逃避に思えたし、東京に行くにしても、計画や戦略がなければ行き詰ってしまいます。そのための準備をしているようには思えなかったので、彼の話をじっくり聞いた上で、私は自分の経験を話しました。 

 実は私も高校2年の冬、家出をしようとしたことがあるんです。家庭内の不和があったわけでも、経済的な問題があったわけでもないけれど、普通に大学に行って会社に入って・・・という「ありきたりな人生」では、自分らしさを発揮することはできないと感じ、他の人と違った感性を磨くためには、自分を一度破壊して、自分の力で生きる修行をしなくてはならない!と考えたのでした。北海道の牧場で住み込みで働いて、小説を書こうと思い、履歴書を送って採用される寸前だったのです。しかし、結局、採用してもらえなかったこともあって家出計画は頓挫してしまいました。

 自立するためには、そのための能力を磨くことが必要です。高校を卒業していなくても社会で活躍している人々は沢山いるけれど、しかし、そんな人々の多くは、学歴に代わる技術や能力、または環境を持っているはず。「大学は働きながらでも行けんねんで。もうちょっと頑張ろ!」「やってみたいことはないん? ただ働くだけやなくて、自己実現につながる仕事とか生き方を見つけよ」こんなふうに話すと彼は「考えてみるわ」と頷いて、元気に帰っていきました。

 参議院選挙では、高校教育の無償化、そして、大学(専門学校)進学を希望する全員への奨学金を交付する政策を掲げました。私自身、大学院は修士課程、博士課程ともに働きながら通いましたが、高校を卒業したばかりの若者が、働いて大学の授業料を払うことは本当に難しいと思います。

 そのためにも、経済的な理由で教育のチャンスが奪われることのないよう、奨学金制度を充実させることは絶対に必要だと思います。しっかり勉強して、自分の責任で返せばいいのですから。この年代の親の購買力も仕送り等の負担で低くなっていますので、経済を活性化する上でも有効だと思います。

 しかし、高校生のことは今も気になります。初対面の私には話せない、もっと深い理由もあるのかもしれません。あのアドバイスで良かったのでしょうか・・・?

 悩みがあったらいつでも相談に来いよ!