博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『長安十二時辰』その1

2019年07月01日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』を見始めたタイミングでナンなのですが、『長安十二時辰』の配信が始まってしまったのでそちらに切り替えます。今回は第1~5話まで鑑賞。本作は『三国機密』と同じく馬伯庸原作で、中国時代劇版『24』とでも言うべき内容のようです。全25話予定ですが、全23話予定のセカンドシーズンの配信も準備中の模様。


時は唐の天保三載、上元節を翌日に控えた正月十四日の巳の刻。ということで毎回こんな感じで時刻表が表示されます。ただ、第1話が巳正(午前11時頃)から始まり、第5話の時点で午時七刻(午後2時前ぐらい)なので、綺麗に1話が1時間で対応しているというわけではありません。また「天保」というのは唐の年号「天宝」をもとにした架空の年号です。天保(=天宝)三載は西暦で744年、唐の玄宗の時代の話ですね。どういう事情か人名等、所々で実在の名称が架空のものに置き換えられています。

上元節を翌日に控えて長安では各坊の城門が解放され、街全体がはやお祭り気分ですが、長安の犯罪取り締まりを担う靖安司では、数年前に出征地で行方を絶った塞外民族による部隊「狼衛」の面々が隊商に扮して長安の西市に入り込んでいるという情報をキャッチ。


靖安司の司丞で実質的に靖安司の指揮官を担っている李必。TFBOYSの易烊千璽が演じています。太子李璵(後の肅宗)の側近で若きエリートです。彼は「狼衛」の摘発にあたって首都の混乱を最小限に抑えるため、死刑囚の張小敬に追跡させることとします。


李必とともに本作の主役となる張小敬。元「不良帥」(「不良人」すなわち岡っ引きの元締めとなる与力・同心に相当するようです)ということで、上司を斬殺したり、熊火幇のメンバー34人を殺害したりとおっかない前科がある模様。この張小敬が「狼衛」のメンバーと追跡劇を繰り広げる一方で、「狼衛」の首領曹破延らは足が付かないように自分と関わった人間を殺害したりと、着実に犠牲者を増やしていきます。そして張小敬は「狼衛」の目的が祭りに乗じて長安の街全体を火の海にすることにあると察知。


このタイミング゛、靖安司の主理で李必の保護者的役割の何執正が「聖人」こと玄宗皇帝から引退を命じられてしまいます。そして「狼衛」の陰謀阻止は李必には扱いきれないと、「聖人」、あるいは太子の政敵林九郎(=李林甫)の命を受けた軍人たちが靖安司の指揮権の返上を迫りますが、李必は一時辰(2時間)だけ待って欲しいと食い下がります。張小敬は「狼衛」のメンバー図格魯が持っていた長安輿図(長安の地図)が協力者の龍波という人物の手元に渡ったということで、彼の行方を追跡しようとますが……

というあたりまで。長安の街並みや人々の服飾、小物類など、大きな所から小さな所まで見応えのある映像になっています。話の方は今のところテロリストというか右巻きの方が好んで口にするスリーパーセル()による大規模テロをいかに防ぐかという展開なんですが、強いて挿入する必要がなさそうな太子と林九郎との政治的暗闘が背景として描かれているのが中国時代劇らしいなと。


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2 コメント

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Unknown (とねっち)
2019-07-06 21:25:34
はじめまして、自分も16話まで見ましたが、まさに中国時代劇版『24』でした。
続きが待ち遠しいです。
延禧攻略もそうですが、最近の中国ドラマレベル高いですね。
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Unknown (さとうしん)
2019-07-08 08:20:41
>とねっちさま
このドラマにしろ延禧攻略にしろ服飾など風俗面の考証も見所で、従来の作品はその方面にこだわればこだわるほどそこの部分を誇張しすぎてトンチキな感じになっていたのですが、そういう考証の成果も自然に取り込めるようになってきましたね。
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