博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『中国古代史研究の最前線』

2018年03月23日 | 学術
星海社新書より『中国古代史研究の最前線』を出版しました。来週ぐらいには全国の書店の店頭に並ぶようです。



出版社HPより、第1章第1節までの試し読みができるようになっております。
http://ji-sedai.jp/book/publication/kodaishi.html

試し読みで詳細な目次が確認できるようになっていますが、こちらでも揚げておきます。

序章
……甲骨は龍骨だったか/本書の目的と構成/出土文献と伝世文献/歴史学と考古学

第1章 幻の王朝を求めて
第1節 殷墟の発見と甲骨学の発展
……甲骨文発見の反響/殷王の系譜/王国維の二重証拠法/信古・疑古・釈古/殷墟発掘/甲骨文とは/甲骨文の五期区分/日本での懐疑論/奴隷制をめぐる議論/軍隊を率いた王妃/歴組卜辞と分組分類
第2節 夏王朝の探究
……夏墟を求めて/偃師商城の発見/夏商周断代工程/王権の成立/中国考古学の文献史学指向
第3節 古蜀王国としての三星堆
……三星堆遺跡の概要/縦目仮面と蜀王蚕叢/神樹と十日神話/文献の奴隷・脚注としないために/共通性から見る/「中華文明」の源のひとつとして

第2章 西周王朝と青銅器
第1節 西周紀年の復原
……西周青銅器と窖蔵/金文とは/武王克殷の年代/夏商周断代工程の西周紀年/矛盾を来した年代
第2節 非発掘器銘をどう扱うか
……豳公盨への疑念/あの器もこの器も/非発掘器は資料として使うな?/晋侯蘇鐘は発掘器か非発掘器か
第3節 周は郁郁乎として文なるか?
……孔子の理想/用鼎制度と礼崩楽壊/五等爵制は存在したか/西周の官制と『周礼』

第3章 春秋史を「再開発」するには
第1節 『左伝』が頼りの春秋史研究
……春秋史研究の苦境/『左伝』とはどのような文献か/『左伝』の腑分け/『左伝』の魅力に取り憑かれる研究者
第2節 東遷は紀元前七七〇年か
……清華簡『繋年』の出現/東遷の認識① 『史記』と『左伝』から/東遷の認識② 『竹書紀年』から/東遷の認識③ 清華簡『繋年』から/東遷の年代/真説・夏姫春秋① 『左伝』と『国語』から/真説・夏姫春秋② 清華簡『繋年』から
第3節 盟誓の現場から
……盟書の発見/侯馬盟書の内容/侯馬盟書と范氏・中行氏の乱
第4節 春秋諸侯のアイデンティティ
……曾侯と天命/虚構性が問われなかった始祖伝承/呉は太伯・仲雍の子孫か

第4章 統一帝国へ
第1節 陵墓と死生観の変化
……文革中の大発見/死者の宮殿として/兵馬俑に課せられた使命/天上世界と地下世界/様々な死生観
第2節 竹簡インパクト
……竹簡とは/簡帛発見の歴史① 前近代/簡帛発見の歴史② 清末・民国期/簡帛発見の歴史③ 一九七〇年代/簡帛発見の歴史④ 一九八〇年代以後/非発掘簡の流通と偽作説/「骨董簡」問題
第3節 竹簡から何が見えるか
……甲骨卜辞から卜筮祭禱簡へ/庶民のものとなった占い/国家の歴史と個人の歴史/四面楚歌の裏側で/「歴史記憶」の戦争

終章
……嫌われ劉賀の一生/本当に疑古時代を抜け出すべきか?

あとがき

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2 コメント

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おめでとう (山科)
2018-03-30 06:53:08
新著;
amazon  中国史部門で一位のようです。
よかったですね。
私もamazonで買って今読んでます。
返信する
Unknown (さとうしん)
2018-03-30 08:37:34
>山科さま
ありがとうございます!
私個人のことは置いておくとしても、出版社的にはこれをバネに中国史物を色々出していきたいという意向があるようなので、この調子で売れて欲しい(そして読まれて欲しい)ですね。
返信する

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