土日シリーズ「DTPの構造を考える」です。
いままでは、本をトップにして、その下の物理構造、論理構造と組版規則について書きました。
前々回から、本という概念をこえ、DTP全体でもつものについて、書いていて、前回は、フォントについて、フォントメトリクスや和文フォント、欧文フォントとベースライン、フォントファミリの話でした。
今回は、PSに出力する際の話です。
■PS出力される場合
フォントがPS出力される場合、
・フォント名とコードを書き込んで、プリンタ側のフォントで出力してもらう場合
・フォントを埋め込んでしまう場合
の2種類があります。
●フォント名を書き込む場合
フォント名を書き込む場合、DTP上のフォント名は、
リュウミン Light とか、ゴシックBBB(せいぜいつけても、ゴシックBBBミディアム)というように、せいぜい、Lightとかの太さどまりの指定ですが、PSファイルに書き出される場合は、
Ryumin-Light-90ms-RKSJ-V
Ryumin-Light-83pv-RKSJ-H
のようにかきだされます。
まず、Ryumin-Lightは、いいですよね。
そのあとの90msは、Windowsなんかでつかう、TrueTypeフォントの場合90ms、
Macなんかでつかう、Postscriptフォントの場合83pv
とつくというふうに考えられているようです(ほんとの話は一番最後に)。
そのつぎのRKSJは、Roman Kana Shift JISの略、つまりシフトJISコードであることをしめし
そのあとのHやVは縦書き、横書きを示す。。。と思った。たしか(^^;)。
あ、フォントには、縦書き用と横書き用があります。
横書きのフォントを縦におけばいいじゃん!とおもうかもしれませんが、
そうすると、句読点の位置がおかしくなるんです。
っていうか、びみょーにへんらしいので、こうなっているみたいです。
実際には、フォントがない場合、フォント置き換えのパターンがある場合があり、
その置き換えパターン内であれば、出力できますが、
まったく分けわかんないフォントだと、文字化けします
(昔は、クーリエに置き換えられる規則だったので、日本語は化けた。さいきん使ってないのでわからんが)
ちなみに、RKSJっていうくらいだから、EUCとかもあるのか?っていうとあります。
(Ryumin-Light-EUC-Vなど)。
なお、フォント名がすべて、このようになっているのかというと、Ryumin-Light-EUC-Vとかいたように、そうではなく、省略されている場合もあります(省略した場合、どれと決まっているので、省略できる)
●フォントを埋め込む
で、このようにフォント名を指定した場合、フォントがないと出力できないため、TrueTypeフォントなどでは、フォントをPSファイルに埋め込めて、それで出力できるものもあります。
その場合、フォントがPSファイル内にあるので、どのPSプリンターでも出せます
(さっきのフォント指定の場合、プリンタになく、置き換え指定もない場合は出せない)
しかし、すべてのフォントで埋め込みが出来る。。というわけでもありません(表示用フォントと印刷用フォントが分かれてて、印刷用フォントが高価っていうケースの場合、もし、埋め込めてしまうと、損してしまうから??)。
で、フォントの埋め込み方法に関しては、いろいろだと思うので、省略しますが、つぎに、ちょっとわき道にそれた話をします。
■PDFやMS-Officeでのフォント埋め込み
このフォント埋め込み、PSだけじゃなくって、PDFとかでもあり、とくに、DistillerでPDFにするときのやり方が有名なんだけど、MS-Officeでのフォント埋め込みというのを書いてあるサイトがあったので、メモメモ
ここ
[5012][MS-Office]Microsoft Officeで書類にTrueTypeフォントを埋め込む設定について
http://blog.ddc.co.jp/mt/dtp/archives/20050712/125040.html
■すんごーい大昔に、あったんだけど。。。
すごーい古いRIPの中には、フォント埋め込みが、あるケースで巧くいかないというときがありました。字を削除するとOKとか。。で、そのケースは、フォント埋め込みの場合、埋め込みのIDみたいなのがあるんだけど、そのIDとエスケープシーケンスが特定の書き方をした場合。。とかいうところまで追っかけたことがあるんだけど、今は、大丈夫な気がする。
(気のせいかもしれない)
ちなみに、このエラーのとき、どうしてもらったかというと、その文字以前は出力でき、その文字以降も出たので、フィルムを張り合わせてもらった気がする。。(おいおい、集版っすか ^^;)
かなり昔だから、はっきり覚えてないけど。。
ほんとは、フォントの話というと、ここから、OCFフォントとCIDフォントの話、それを混ぜた場合の話、コードの話なんかをしないといけないと思うんだけど、それは、DTPエキスパートなんかで、よく出る問題なんで、ここでは、さくっと省略して(ほんとは、ウィリアムのいたずらが詳しくないので省略するのだ ^^; ウィリアムのいたずら、フォントは苦手なのだ)、次のこのシリーズは、外字と合字の話。
*P.S とはいえ、今、WikipediaのOCFフォントのところにリンクを張るので内容をみたら。。。うーん、書きたいことがでてきてしまった。。
CMapの話とか、NewCIDフォント、異字体の話とか。。今度、別な機会にかくかも。。
あ、83pvの本当の意味ですが、そのCMapの話で、リンクしたところ
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/products/new0.html
の、「83pv-RKSJのお話」をみてください。