土日シリーズ「DTPの構造を考える」です。
このシリーズ、はじめは、本をトップにして、その下の物理構造、論理構造と組版規則について書きました。
次に、本という概念をこえ、DTP全体でもつものについて、書いていて、ライブラリ、フォントまできて、色の話で、色全般については前々回したので、今回は、カラーマネージメント。
■カラーマネジメント(カラーマッチング)システムの種類
カラーマネジメントシステム(CMS=カラーマネージメントシステム/まったくおなじCMSという略語でコンテンツマネジメントシステム(XOOPSなど)を表すこともある)を考える場合、2つの種類を考えないといけません。
・キャリブレーション
個々のデバイス(画面など)においても、経年変化などによって、発色具合が変わって、色が変わってきてしまう。そこで、個々のデバイスにおいて、同じ色になるように、基準となる色に調整すること。
基準の色となるものがあって、それと、デバイスの色との見た目を合わせていく。
といっても、目で見てあわせるだけでなく、そーいう機械がある場合もある。
あと、詳しい話になると、ソフトウエアキャリブレーション・ハードウエアキャリブレーションのはなしになるけど、それは、こちら
なお、上記にかいたとおり、経年変化などを直すものであるから、一度買ってやったらOKというものではなく、何度も(定期的に)行うべきものであります。
・キャラクタライゼーション
上記のものが、1つのデバイスにおける色調整だったのに対し、これは、複数の機器、具体的には、プリンタとスキャナとディスプレイのように、異なる機器間の色を自動的に合わせる方法。そもそも、機器によっては発色できないところもあり(ディスプレイの発色できる空間とプリンタの発色できる空間は異なる)その辺をテキトーじゃなかった、適切に処理する。
実現方法としては、デバイスプロファイルとよばれる、個々の機器の特性を記述したものがあって、それを読み取って、機器側であーでもないこーでもないと変換をかける。
そのためには、デバイスプロファイルが標準化されてないと、「なんのこっちゃ?」とわかんないので、こまってしまう。そこで、標準化されたデバイスプロファイルとしてICCデバイスプロファイルというのがある。
これは、デバイスの特徴をかいたものなので、経年変化とかは関係なく、一回つくれば、基本的にいいっていうことになる。
ここ http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?216943+002
に書かれているように、標準的なプロファイルはデバイスメーカーが提供している。
このほかに、カスタムプロファイルという自分の環境用にプロファイルをつくることもできる。。。っていわれても大変そうだけど、そーいうものもあるみたいだ。
■デバイスプロファイルの埋め込み
キャリブレーションは、個々の機材に閉じた話なのでいいが、キャラクタライゼーションを行う場合、たとえば、DTPの編集を行っているデザイン会社、編集プロダクション等と、印刷会社、出力センターでは、違うわけで、ここにデバイスプロファイルを送るには?っていうことになる。
これは、画像などにデバイスプロファイルを埋め込むことで実現する。Photoshop、Illustrator、InDesignなどなどは埋め込みができる(さっきもリンクしたここの下のほう)。
■MS-Office製品もWindowsXP以降、カラーマネジメントをしているらしい
で、このカラーマネジメントなのだが、DTPアプリは当然しているのだけど、
以下の本
JAGAT認証DTPエキスパート試験 完全対策問題集2006
(有)MD研究会 著
236ページ、問17「Mac,Windowsにおけるカラーマネジメント」
の問題と解説によると、WindowsXPでWord2002以降は、
カラーマネージメントをしているらしい。。
へー(^^)
ただ、そんなことよりも、この問題の出だし。。
「小笠原君は。。山内印刷。。」ほお、そーきたか(^^;)
(わかる人にしか、わからない話でごめんなさい。。
そーしても気になって、知りたい人は「小笠原 山内 JAGAT」で検索してね ^^;)
ということで、データ構造の説明は、ここまででおしまいです。
次回から、DTPソフトのアルゴリズムについて説明します。