シリーズ化してしまった「翻訳機を使って、ローカライゼーションする場合の手順をまとめてみる」のつづき
ローカライズするには、次の3つの手順が必要
(1)国際化対応プログラムになっているか確認
(2)翻訳
(3)翻訳したものを戻し、稼動するか確認
ということで、前回から(2)の翻訳部分です。
この翻訳部分は、自動的に出来る部分と、手動で行う部分があります。
前回は、自動化部分を説明し、その結果
・ワークベンチ(babelなど)のDBに、翻訳機で訳したもの
・翻訳機で訳したものを基に作った、実行プログラム
・ステータスをメッセージにいれたものを基に作った、実行プログラム
ができました。なおもともと
・翻訳前の英語版の実行プログラム
は、存在します。
今回は、手動部分の初めの仮訳について説明します。
■手動部分の作業
手動部分は、おおきく、
(あ)仮訳
(い)訳語統一
(う)本訳
の3つの作業があります。今日は、「(あ)仮訳」についてです。
■仮訳の内容と意義とやる場合、やらない場合
仮訳は、おもに、画面部分に対し、翻訳担当者を適当に分けて、翻訳します。
こうなると、担当者ごとに、表現が変わります。
この表現の違いを統一するために、訳語統一があります。
つまり、訳語統一のネタ提供のため、仮訳します。
逆に言うと、訳語が統一されていたり、担当者が1人しかいないで、
訳語統一する必要がなければ、仮訳をとばして、すぐ本番訳することが
可能です。
また、仮訳しないで訳語統一もありえます
(これについては、訳語統一のところで書きます)。
■仮訳では、どこを訳すのか?
仮訳では画面の項目をとりあえず訳します。
エラーメッセージの場合、画面項目をもとに言っている場合が多いです
”「項目1」の値が、大きい”など・・
ってことは、まず、画面項目を訳語統一しないと、エラーメッセージも
統一しないってことになります。
それに、画面上にたいてい、そのアプリが使う概念はでてきますし。。
なので、画面項目を統一します。
■仮訳の方法
ここで、現在出来ている実行ファイルをまとめて
(A)翻訳機で訳したものを基に作った、実行プログラム
(B)ステータスをメッセージにいれたものを基に作った、実行プログラム
(C)翻訳前の英語版の実行プログラム
と名づけます。
やる作業は、
・「(A)翻訳機で訳したもの」をみて、まずいところに対して、
・「(C)翻訳前の英語版」の英語を翻訳し、
・「(B)ステータスをメッセージにいれたもの」で、翻訳箇所のIDを確認したら、
・ワークベンチの該当IDのところの訳文を修正する
のですが、この作業、パソコン上でやると、とっても大変です。
なので、紙の上でやったりします。
まず、A3なりA4なりの紙に
1画面につき
*---------------------------------* | | | | | | | | | | (A)翻訳機で訳したもの |(B)ステータスをメッセージにいれたもの| | | | | | | | | | | | | *---------------------------------*
(以下これを、「翻訳機用紙」と呼びます)
というものと
*---------------------------------* | | | | | | | | | | (C)翻訳前の英語版 |(B)ステータスをメッセージにいれたもの| | | | | | | | | | | | | *---------------------------------*
(以下これを、「元用紙」と呼びます)
という2種類の紙を、対象画面分用意します。
そして、
・「翻訳機用紙」をみて、訳がおかしかったら
・対応する「元用紙」の英語を見て訳し、
・「(B)ステータスをメッセージにいれたもの」からIDを割り出し
・ワークベンチの該当IDのところの訳文を修正する
というようにします。
このように、紙ベースにしてしまえば、ソフトを立ち上げられない翻訳者
にも、翻訳にかかわってもらうことが出来るし、どこにでも、郵送できます。
(その場合、紙の上に訳語を書いてもらい、あとで打ち込む形になる)
■仮訳の作業手順
そうすると、作業手順は以下のとおり
・担当画面部分をきめる
・仮訳準備をする
→上記のような紙を使う場合、
画面をキャプチャして貼り込み
上記の画面の用紙を作成する
・仮訳する
→上記「■仮訳の方法」で書いた作業をする
ということになります。
次回は、訳語統一です。
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