もう、どうしようもなく救われないような内容の話が多い。
でも、観た後はそんなに嫌な気分にならず、
逆に感動して胸が一杯になるんだよね。
不思議だなあっていつも感じてたんだけど
この「チェンジリング」を観てようやくわかった。
彼の映画にはいつも「希望」があるんだってことにね。
「ミリオンダラー・ベイビー」しかり、「トゥルー・クライム」しかり、「バード」しかり、「許されざる者」しかり・・・。
決してハッピーエンドじゃないんだけど
それでも、「まだまだ人間は捨てたもんじゃない」って思わせるものがあるんだよね。
なんで、そのことをこの映画で気がついたかっていうと
アンジェリーナ・ジョリー扮する主役の女性の最後のセリフで
「昨日まで持ってなかったモノを手に入れたわ。それは希望よ。」
というのがあって、
「まさにこれだ!」って気がついた次第。
セリフ的には使い古されたものなんだけど、映画の展開がもう最悪な展開なだけに
もう、ココロが締め付けられるくらいになってしまう。
人間ってまさに希望さえあればどんな状況でも生きていけるんだよね。
逆に、希望がなくなったら、傍から見てどんなにうまくいってるようにみえても生きる気力がなくなってしまうもんなんだと思う。
このことをクリント・イーストウッドは映画を通して伝えたいことなんだって気がついた。
こんなすばらしい映画を量産できる彼は天才なんだと思うよ。
どんなに悲劇的な状況でも、主人公が生きるために必死に前向きに取り組んでる。
それがホントに上手に描かれてるんだよね。
こう書くと、なんだか陳腐な言い回しになってイヤになっちゃうなあ。
これはもう、映画を観てもらうしかないな。
2時間半、ホントにあっという間ですよ。