「世紀のミスジャッジ」と言われているビートルズのデッカオーディション。
『ギターバンドは流行らない』との判断でビートルズは落とされ、
その後、
最終的にジョージマーティンに拾われるわけだけど、
デッカのオーデションでの演奏を聞く限り、
上手いことは上手いし、
後々の大活躍を知っているからボーカルなんかもキラリと光るものは感じられるけど、
ロックバンドがまだビジネスモデルとして確立してなかったその当時だと、
確かにデッカの判断もありうるとも思う。
でも、
もしもデッカで合格したとしたら、
その後のビートルズの成功はあったんだろうか・・・?
* * *
【ブライアン・エプスタインの証言】
「ライブハウスで見たビートルズは空気の悪い薄暗い中での演奏で最初はイマイチパッとするモノは感じられなかった。でも、ステージの上での言動には魅力をすごく感じたし、
ステージ後、楽屋で彼らと話してみてそれが確信に変わった。だから私からマネージメントを申し出たんだ。」
【ジョージマーティンの証言】
「正直に言うと、バンド演奏にはあまり光るものは感じなかった。よくあるレベルの演奏だった。ただユーモアのセンスはあったし、タレントとしてはカリスマ性も感じた。音楽じゃなくとも十分ショービジネスの世界でやっていけると思った。」
* * *
ジョージマーティンが気に入ったというおもしろいエピソード。
↓
ジョージマーティンがオーデションについて一通り説明した後、「何か気になるところや質問は?」と尋ねた。
ジョンやポールが緊張のせいで無口になって何も言えずにいたが、
ジョージハリスンが口を開いた。
「そうですね。まずはあなたのネクタイが気に入らないっすね。」
このジョークにジョージマーティンも大笑いし、その流れですごく良い雰囲気のままオーディションが行なわれたらしい。
つまり、
エプスタインやマーティンからは別にバンド演奏を認められたわけじゃなく、タレントとしての才能を買われたわけで、
実際、
初期のビートルズの動画を見たりしてると4人の仲良さそうな雰囲気とかもあって、バンド一体となった魅力がすごくあふれてる。
そういう魅力を感じなかったデッカには、こういう売り方は絶対にできなかっただろう。
やはりそういう意味で、
デッカで採用されたら、ジョージマーティンがいなかったのでもしかしたら大成しなかった可能性が十分にあると考えられます。
まさに『人生万事塞翁が馬の如し』ですね~。
何がどういう風に転んでいくのかなんて誰にもわからないというところが
人生、面白いもんですな~。