日経ビジネスオンラインで、下記の記事を見つけました。
その水を守るのは誰だ
力尽きる山守、「水源の森」に忍び寄る影
エコに関心のある方にはとくに読んで頂きたい内容。
また、付いているコメントも示唆に富み素晴らしい。
コメントは安易な「エコ」の弊害に言及しています。
無謀にも、わたしなりに記事の紹介にチャレンジしてみます。
都会に住んでいるわたしたちは、水道の蛇口をひねれば
いつもきれいな水がすぐに出てくることに慣れきっています。
あたりまえのことだと思っています。
しかし、その水は、水源地の山林が豊かであることによって
育まれる、日本の気付かれざる財産なのです。
いま、この財産が危機に瀕しています。
(豊かな山林は、土砂崩れなどの災害を防ぐはたらきも持っていますが
それはまた別の「
砂防」という分野の話です。)
自然に出来た樹種混交林は手入れの必要はないのですが、
同じ木ばかり植える人工林は、間伐や枝打ちなどの手入れが必要です。
なぜなら、林床に光を当てる、風通しを良くする等の作業をしてやらないと
細くて弱々しい木ばかりになってしまうからです。
畑の間引きと一緒ですね。
昔は林業が盛んで、適度に林の手入れをしつつ
木を伐採し、山を豊かに保ちつつ、食べていけるしくみがありました。
また、間引いた間伐材を利用しきる手段もありました。
現在、日本の林業は衰退しています。
そして、日本の人工林は荒れ放題です。
なざなら、木を育てることは、人を育てる以上の時間と
手間暇がかかり、すぐにはおカネに結びつかないからだと思います。
また、安価な輸入材に押されて国産材が売れなくなったこと、
国産材が見直され需要がふえてきたものの
種々の事情で林業の採算が合わなくなったことが背景に挙げられます。
ところが、そんな現状のなかでも、元気に林業を行っている
村があります。
長野県南端から愛知県にそそぐ、矢作川。
その水源地にある、根羽(ねば)村です。
村の教えに、
「親が植え、子が育て、孫が切る」
という言葉があるそうです。
矢作川上流の村と、河口の都市。
両者が協力して、水源を保ち、木を守り、林業を回していく-・・。
そして、次世代の人を育てている。
その成功と努力と歴史が、紹介されています。
そして、こわいのが、
日本の気付かれざる財産、「水」を狙ってか
山地を丸ごと買い取ろうとする、外国資本の動きがあるそうです。
山林を守るための
環境税を住民に課す自治体が、こんど入る
愛知県で30になるそうです。
残念ながら、一番の大都市、東京と大阪は、環境税に
賛同していないそうです。
山や森が見えない大都市に暮らしていては、
「
水源涵養林(すいげんかんようりん)」なんて言葉、実感がわかないのも無理ないけれど・・・
ぜひ記事をごらんになって、蛇口をひねって出てくる水の、
ルーツに思いを馳せてみませんか。
その水を守るのは誰だ
力尽きる山守、「水源の森」に忍び寄る影