信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

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松本耕地地すべり対策協議会の現地研修会

2015年11月06日 | 私の活動報告

△ 最初に視察した富山県市魚津市の北山地区の工事現場です。

 6日(金)松本耕地地すべり対策協議会の2市3村の地区代表者と担当部署、松本地方事務所農地整備課・長土連中信事業所の担当者で現地研修会を行いました。
 最初に、富山県市魚津市の北山地区に行き、富山県新川土木センター工務第二課 砂防班長 山県英彦さん、主任 臼井健太郎さんと職員の皆さんから、北山地区 砂防総合交付金(地すべり)事業について詳しく説明していただきました。


△ 砂防班長 山県英彦さんの説明を、資料と工事現場を見ながら、みんなで聞いているところです。

 北山地区では、平成5年度から今年度まで、総事業費1,450百万円で、地下水排除工、アンカー工、抑止杭工、法面保護工を実施している内容を詳細に説明していただきました。
 工事現場の上部のため池からの水漏れや湧水の影響で、温泉宿や人家がある地区を災害から守るために行われてきて、今年度は、抑止杭工を80本行うことで、この事業が竣工するとのことでした。
 よって、今回は一本が施工費込で約400万円する鋼管杭の工事を行っている現場で、施工方法等を丁寧に説明していただきました。

▽ 抑止杭工を行っているところまで行き、鋼管杭の大きさやクレーン等で施工するところを実際に見ることができました。







△ 鋼管杭を等間隔で打ち込まれたところですが、最終的には土を被せてしまうので分からなくなるとのことでした。

 次ぎに、室田地区に行き、富山県新川農林振興センター 指導課 計画班 高柳義範主任さんから、地すべり防止区域の対策状況と施設の点検状況等について説明していただきました。
 室田地区は、県営地すべり対策事業により、水抜きボーリング、集水井などの工事を施工して、耕地105.48haや人家26戸等を地すべり災害から防止されているということでした。
 また、業者による年4回の巡視と地区の地すべり巡視員にお願いして、降雨時などに施設や耕地の状況を巡視していただいているとのことでした。
 地元の巡視員は高齢化などでお願いする方に困っているが、地元の方の巡視は異常を発見しやすく、地元を守っていこうという気概が感じられるということで、我が地区と同じ状況だと感じました。

▽ 室田地区で高柳義範主任さんから、地すべり防止区域の対策状況と施設の点検状況等について説明を聞いているところです。






 次に、東山地区の天神野用水・青柳用水・東山用水の3つの用水に公平に水を分配するための東山円筒分水槽へ行きました。この円筒分水槽は、対岸の貝田新分水槽から片貝川をサイフォン(163.2m)で横断し、水路のトンネル(135m)で接続しています。
 大きさは直径9.12mで、大きな分水槽の中心から各水路に分配される水の分配量は、上流からの水量の変化に影響されることなく公平に分配されています。また、円筒から溢れる水の落差がこれだけあるものは珍しく、急流河川ならではの構造と言われています。

▽ 近年この円筒分水槽の美しさから観光スポット、パワースポットとして注目され訪れる方が多いということです。






△ 片貝川の堤防から立山方面の風景です。

 当村では、耕地の地すべり指定地区が多く、地区巡視員の皆さんに、施設の点検、維持管理、耕地の状況把握等をお願いしていますので、今回の現地研修は良い視察になったと思います。
 また、地すべりの危険性が高い地区があり、防災・減災のために地すべり対策事業にも力を注ぎ、村民の皆さんが、安全で安心して暮らしていける、災害に強い村づくりを更に推進していかなければと感じました。
 ご説明をしていただきました富山県の職員の皆さんをはじめ、参加された皆さん、視察の準備・対応等をしていただいた事務局の皆さんに感謝を申し上げます。そして、お疲れ様でした。