帰ってきた特派員報告

2004年に沖縄移住しteacupブログ開設→gooブログへ引越し

南部鉄器に湯垢をつける

2019-01-27 10:02:00 | できるかな
年越しに風邪をひいて以来、なんだか身体の芯に冷えが残っているようで調子が今ひとつよろしくなく、足が冷えるなんていうことは沖縄では一回も経験したことがなかったので、どうやらまだこちらの風土に順応していないようだ。

体質改善をせねばならない。

このようなときは、飲む整体ともいわれる「白湯」を飲むのがいいらしい。

白湯は意識高い系のひとたちから絶大な支持を集める憎いやつだが、パイタンと読んでやればとたんに意識が低くなるからおもしろい。

サイトの情報によると、鉄瓶で白湯を作ると尚のこと身体によろしい、アーユルベーダ的にも最も優れた飲み物ななるということなので久しぶりに南部鉄器を購入することに決めた。

よしざるは20代の頃、火鉢を使って鉄瓶で湯を沸かしてコーヒーを入れるような気持ちの悪い若造だったので、南部鉄の扱いには慣れている。

たしかにあれで入れるお茶やコーヒーは甘く、格別な味だった。
燗酒をつくるのにもよさそうだ。

早速ECサイトで探してみたら




なんか結構お高くて、調べてみると外国人観光客の間で南部鉄器が流行っているらしく、昭和の時代よりも売れて在庫不足なんだとか。

数千円の安いやつは内側がホーローでコーティングされているので、手入れは楽だけど二価鉄が水に溶けず味も落ちるので候補外だし、中国製のものは鉄以外の重金属が溶け出してきそうで、これは論外である。

ちゃんとした工房のものは6ヶ月待ちという状況なので、そういうときはメルカリで宝探しだ。

意識の低い奴らのガレージセールに思わぬお宝が転がっていることがあるのは前にも報告したが、今回も戦果あり。

盛岡の老舗の刻印入りの南部鉄瓶を2,000円で出品している阿呆がいたので、即落札。

「実家に昔からあったものです。錆びているので使えるかどうかわかりません」

というコメントがついていたが、南部鉄器のサビは無害で、手を入れてやれば独特の深みのある黒い艶がしっかり蘇るのだ。




鉄瓶がすっぽり入る鍋で湯を沸かし、お茶をひとつかみ入れて煮出し、一昼夜放置。



お茶のタンニンが鉄に反応し、真っ黒な液体になるけど、こいつがサビを止めてくれるの。
鉄瓶の中で炭火をおこして酸化皮膜を作ってやるという方法もあるけど外は寒いので却下。

毎日毎日お湯を沸かしているとやがて内側に白い結晶がついてくる
これは鉄瓶の窯元が一年間使った物なんだけど、ここまで白くすると一晩水を入れっぱなしでもサビが広がることはなくなり、何より水の味が甘くまろやかになるので、茶の湯の人たちは「湯垢がつく」「釜を育てる」といって大変珍重します。
釜の内側は一生触ってはいけない、という人もいます。

手をかけてじっくり育ててやる楽しみもあるが、そんなことをしていたら冬が終わってしまうし、年号も変わる。

体質改善が急務であるからして、ここは科学の力を借りてインスタントに湯垢をつけることにしたい。

湯垢の成分である電気ポットなんかにつく白い水酸化カルシウムのイオン結晶とはわずかに成分が違うけれど、要は硬水を煮詰めて炭酸カルシウムやマグネシウムといった炭酸水素塩類を鉄瓶の内側に付着させれば良いのでは。
沖縄で培った熱帯魚飼育のスキルが使えるので、各種検査薬を引っ張りだそうとしたけど、そんなことしなくたって近所のドラッグストアに硬水売ってたっけ。



120mg/L以上であれば硬水なんだけど、コントレックスはなんと1475mg/Lの超硬水!

フランスのコントレックスと盛岡の南部鉄器の間には深い谷間があるけれど、2つを結ぶ架け橋になってやろうではないか。

コトコトと1時間ほど煮詰めてやった。
むしゃくしゃしてやった。だれでもよかった。って犯人はみんなそういうけどほんとかな。



湯垢がしっかりつきました! 

甘くとろける白湯を飲んで一週間、冷えが止まるばかりかなんと体重が3キロも減ってくれて嬉しいかぎりです。


(コントレックスは炭酸カルシウムでも水酸化カルシウムでもなく硫酸カルシウム。飲みすぎると腹を下します)





コメント

謹賀新年

2019-01-02 11:47:00 | ノンジャンル
あけましておめでとうございます

年末は館山の家でのんびりと過ごしました。

穏やかな陽射しの中で海風をたっぷりと吸い、山で鳥たちの声を聴きながらトレッキングなどをしていたら高熱を出して病床の年越しです。
ベッドでボーッとヤフオクをいじっていたら、誤って多肉植物をとんでもない値段で落札してしまい、先が思いやられます。

今年は己亥(つちのと・い)

中国の干支的には次なるスタートに向けてエネルギーを貯める年、とのことですが、そんなこと構わずによしざるは猪突猛進でいくからね。

今年もよろしくお付き合いください。














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