飲んだ翌日、一番効く食べ物はなにか。
沖縄では「みそ汁」が一般的だ。
本土の「味噌汁」とはちょっと趣きを異にする濃厚な汁。
何度も自分で作ってはみたが、どうも今ひとつピンとこないので、みそ汁だけは外食と決めている。
深酒した翌日、
前回失敗しただるまそばへ行ってみた。
ネットでみたら沖縄のみそ汁ランキング一位のお店。
そば屋なのに。
11時で店はほぼ満員。
券売機にはいろんなみそ汁バージョンがある。
みそ汁単品・みそ汁卵入り・みそ汁卵とフーチバ(よもぎ)入り・みそ汁ご飯つき・みそ汁稲荷付き・・・ああややこしい。
初めてのトッピング、迷ったときは全部のせ。
脳内で味の引き算補正はできるが、足し算はできない。
具材にはスパム・三枚肉・かまぼこ・よもぎ・豆腐・青菜・あとよくわからない焦がした豚の皮のような「謎肉」が入っていて、非常に美味。
しかし、これは完成形ではないようだ。
他の客をみると練り唐辛子をちゃぽちゃぽ入れている。
半分ほどノーマルを楽しんで、これを入れてみたら、ガラリと変わった。
石川県民のソウルフード「とり野菜味噌鍋」の味に近くなった。
そこで、卵を割ると再びマイルドになる。
みそ汁にフェーズがあってもいいじゃない。
美味しさの秘訣をお店の人に聞くような真似は俺にはできない。
しかし盟友ドゴーンMはそれができる漢だ。
答えは「味噌のブレンド」とのことだった。
どこの味噌かは教えてもらえなかった、っていや、そこまでは、さすがは元敏腕外資系コンサル、切り込みかたがはんぱない。
帰りのジャスコで、とり野菜みそを買った。
君はいったい鶏なのか野菜なのか味噌なのか
これからはおうちで沖縄のみそ汁が作れる。
まつやのサイトで調べてみると、とり=摂りで、
北前船の船員が野菜をたっぷり摂取できるように、まつやの創業者が考案した味噌とのことだった。
・・・はっ!
北前船って沖縄に来てるじゃないのさ!
もしかすると、「沖縄のみそ汁」は北前船の船員が置いていったまつやの味噌がルーツかもしれない。
まつやの味噌を溶いて適当な具材ぶち込んで食べてみた江戸時代の沖縄県民が
「これ、ええなぁ」
「ええねぇ」
みたいなべっぴんさん状態になったんじゃないかしら。
戦後にスパムを入れてみたら
「これも、ええなぁ」
「ええねぇ」
みたいに広まっていって。
ロマンがある。
この発見を沖縄の人に話してみた。
「ねぇ、沖縄のみそ汁ってさ、石川がルーツかもしれないよ!」
「へぇ」
ちょっと反応薄。。
家に帰って気付いたが、沖縄で石川といったら現在のうるま市(2005年に合併)のことだ。
次の日、もう一度、石川県が~と話したら
やっぱり「へぇ」だった。
もうお前とは口をきいてやらない。
だるまそば
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