湿らせながら乾燥させる、とはこれいかに。
水分によって漆の酵素が活性化し硬化するので、漆職人は梅雨時には仕事をしないとのことである。
湿度が高いと塗ったそばから固まってしまうので作業ができないらしい。
って、連日の台風でジメジメ高湿度の沖縄はどうなのよ。
家の湿度計をみてみると、ほぼ100%。
あわてて金継ぎの蕎麦猪口をあけてみました。
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一か月も寝かせてたらカビが生えるところだった。
沖縄の夏は漆の乾燥には最適なようだ。
ならばどんどん進めよう。次なる作業「漆上げ&研ぎ」
継いだ場所の凸凹にベンガラ漆(朱色)を盛り、ペーパー(800番)で水研ぎして面をツルツルにします。
再び乾燥した後、金粉をつけるための漆を薄くかける。
今度は朱合漆とベンガラを半々にしてトロリとさせます。
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いよいよ金粉を蒔く時がきたが、あせって蒔くと漆の中に金が沈んでしまうというので、小一時間休憩しましょう。
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生乾きになったところで、金粉を「ケボ」という筆ですくいとり
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お次は「粉固め」(ふんがため)という作業。
かろうじてくっついている金粉の上へ、希釈した生うるしを塗りつけて固着させます。
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せっかくの輝く金粉がわらびもちのきなこみたいになってしまうのは、ちょっとさびしいことです。
次回の磨き作業で、いよいよ最終回です。
マニアックなネタばかりですいません。