ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

浮世床

2013-04-27 15:18:12 | 日記・エッセイ・コラム

新緑の爽やかな風にさそわれて床屋に行く。

あれやこれやよもやま話を聞かされながら
喉元をすべるカミソリに緊張する。
暑くもないのに背筋を汗が流れる。
 (おい、おい、大丈夫かい?)

昔から床屋は地域の情報発信源
良いことも悪いこともその日のうちに広がる。

他人の耳に私がどのように伝えられているか
興味あるところだが
ここでは私は紳士をよそおい
ひたすら聞き役に徹する。

三か月分の髪の毛が
無造作に掃き集められる。
分身として些かの惜別の情をおぼえる。

帰りがけ里山に
花を観に遠回りしたが女主人は留守であった。

 初蝶か窓にひかりの過ぎりしは