ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

のっぺらぼう

2015-07-21 10:50:33 | 日記・エッセイ・コラム
      
       のっぺらぼう A


   呼吸をせず
   ぐったりしているわが子を
   見下ろしている
     のっぺらぼう

   十指の爪は
   生皮を剥いだように
     真っ赤

   ”ごはんをこぼしたから・・・・”
  
   傍らでは
   テレビを前に
   のっぺらぼうの男が
   缶ビールをあおっている 

   やかんが音を立てている

     
   ほうたるのもつれもつれつむかう岸
   (ちっぽけな虫ですら慈愛の絆を大事にしているというのに)


     のっぺらぼう B

   手抜き工事がバレて
   テレビを前に
   国民に詫びているのっぺらぼう

   ”今後は会社一丸となって・・・”

   やったのは
   部下だと言わんばかりに


      のっぺらぼう C

   国民の
   コンセンサスを得るより
   オバマさんとの
   約束が優先と

   ”国家は国民の生命財産を第一に・・・・”

   のっぺらぼうの
   同じ唇から
   もう何百回も聞かされる

     
  (のっぺらぼうとは顔に眼も鼻も口もない日本の妖怪。
  ムジナが化けて人に悪さする。更には人間性の不在を意味する。)