ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ねしょべん小僧

2016-11-19 16:27:04 | 日記・エッセイ・コラム
夜は二時間ごとにトイレに立つ。
加齢による頻尿だという。
よっていつも眠りが浅く
微かな風の音にも
遠くのパトカーの音にも目が覚めてしまう。

昔むかし小学二年生の夏休み。
クラスメート四人が先生の家にお泊まりにいく。
花火大会にポッポ汽車で隣町まで。

夜尿症の僕を心配して母はフミ先生にくれぐれも頼んだ。

 ねしょべん小僧はどなたでござる 恥ずかしながら わたしでござる。

八月だというのにさらしをぐるぐる巻きにされ 
僕だけ先生と一緒に寝かされた。
----------やったあ!

教師になりたての二十四・五歳のほやほやのフミ先生。
湯上りの浴衣から湧いてくる石鹸のさわやかな匂い。
ぷちぷちとタラコのような唇から漏れてくる切なくも麗しい寝息に
一晩中眠れない僕は 見事!ねしょうべんをクリアーしたのであった。

次の日 朝食の卵焼きにはしゃぐ友達が
急にガキっぽく見えたのは
成熟した女性の体臭の所為かも。

もし今夜フミ先生のようなひとと同衾できたら 
頻尿はいっきに解決できるだろうになあ。


      植え替えの老職人の息白し