ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

さくらさくら

2013-04-04 12:29:43 | 日記・エッセイ・コラム

庭のさくらが一斉に歓喜の大合唱。
大空を染めて咲き誇っている。

桜の花のころになると
いくつもの想い出がよみがえる。
つらい想い出、悲しい想い出、嬉しい想い出、
楽しい想い出・・・・・。
桜の花にからめた想い出は
人生の中で最も多いかもしれない。

最初の想い出は小学一年生。
100本の大桜に囲まれての運動会。
それぞれの根元には花むしろが敷かれ
家族らの応援合戦。
50メートル駈けっこで足を挫き 
そのままフミ先生の背中でゴールイン。
先生の髪、いい匂いしていたなあ。

市ヶ谷から飯田橋までのお堀端。
遠くで安保闘争のシュプレヒコール。
さくら吹雪に背中を押され青春とは寂しかったなあ。

夜桜に頬を染めてすれ違う今は人妻の幼馴染み。
いつまでもドキドキしていたなあ。

退院後の松葉杖を頼りの奈良ホテル。
飛鳥仏のほほ笑みと
目覚めの茶粥が六腑に沁みたなあ。

花ぐもりの中を運ばれていく献体の父。
見送りながら
たくさんの不安に潰されそうだったなあ。

さくらさくら ああ、我が人生の節目の花。

 飛花落花ひねもす悩みゐるロダン