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「烏米飯」…仙家の服食法

2015-05-09 07:04:56 | 季節の話(二十四節気他)

立夏になったので、徐々に夏らしさが増してくることと思います。

今回は、立夏の時期の食習慣の話です。

中国の一部で食べられているという「烏米飯

ご飯を黒く染めて蒸したものだそうです。

 

「中国網」さまより

浙江省臨安市、この地域には立夏期間にこれを食べる習慣があるのだ。話によると、烏米飯を食べると暑気あたりを防ぐことができ、蚊にも刺されなくなるという。烏米飯には甘い味と塩味の2種類がある。

作る際は「烏飯葉」と呼ばれる葉っぱを使う。葉を洗い、濾し汁にし、もち米を浸し、蒸す。
・何度ももみ洗いすると、葉っぱの汁が出てくる。濾し汁にしてから、もち米を浸す。 
・濾し汁がもち米に染み込む。そして完全に黒く変色するまで待つ。
・その後、もち米を蒸せば烏米飯の出来上がり。 

 

烏飯葉は「シャシャンボ」という植物のようです。

 

「イー薬草ドットコム」さまより

名の由来は、秋に紫黒色に熟した果実が多数つく様子を、小さな坊やにたとえて、「小小ん坊」と呼び、「小小ん坊」から転訛して、シャシャンボの名になったという

古名には、サシブやサシブノキなどがあり、ワクラハとは、病気の葉を意味していて、葉が冬になると褐色~褐紫色に変わり、白い班が混じることから呼ばれた名だという

シャシャンボは、ツツジ科。低地の林に生ずる常緑木。高さ2~3メートル。漢名 南燭。一名楊桐。また牛筋という変った名もある。
汁をとって米を浸け、烏飯を作り食うと、牛筋のように健康になるというので、この名があるのだそうだ。
シャシャンボはササンボ。小々坊、小々ん坊で、小さい実という意味。実が丸く小さいことによる。
またの名 サシブノキ。古くからよく知られた木とみえ、古事記の仁徳記にも出ている。南方熊楠全集七巻に、「古事記、仁徳帝の御歌(注 正しくは仁徳帝の大后の御歌)に、「川の辺に生立るサシブをサシブの木」と有る倭姫世紀のササムの木、神名帳の伊勢の竹、佐々夫江の社のササブ、宇鏡のサセブで、紀伊其他でシャシャンボと云物だ。
此木、古く神に縁厚く、至尊の御詠に迄出たが、今は田舎の児童が採り、実を食うのみ」。と出ている。
また、ワクラバという名もある。ワクラバは病葉。「嫩葉が紅色を帯びているところから、緑葉に雑じるこの紅い葉を病葉と見立てての名」だと牧野先生はいわれている。
しかし、老葉も紅藍色をおびているのがあり、いかにも病葉のようにみえるからではなかろうか。
はじめてこの木を記したのは梁の陶弘景で「草木の王」と尊称してあるという。
本草綱目には、「泄を止め、睡を除き、筋を強くし、気力を益す。久服、身を軽くし、天年を延べ、人をして饑えざらしめ、白を変じ、老を却ける」(蔵器)、とあり。
木の葉の汁でつくる烏飯(またの名、青精飯)も、「顔色を益し、筋骨を堅くし、行歩を能くする」(蔵器)、「久服白を変し、老を却ける」(蘇頌)、といわれている。

 

烏飯の法
「南燭の茎葉を搗き砕きとれる清汁に、粳末を浸し九浸九蒸九曝す云々」(蔵器)。
この飯は、もと仙家の服食法であったが、後には、仏教寺院で、多く4月8日に、これをつくって仏前に供えるようになった。
なるべく色をよくつけるために、柿の葉や白楊の葉などを入れたり、鉄を入れたという。
なお、「小児の疳病を去るに、この葉を煎じ、茶に代へてのむ」とも出ているが、冬にも青々とした葉があるので、いつでも利用出来るし、茶葉のように製しておいてもよいだろう。
実は径4~5ミリの小球状で、冬黒熟し、多少の白色をおび、甘酢っぱい。これにも、「筋骨を強くし、気力を益し、精を固くし、顔をとどめる」(時珍)と、葉と同様、強壮強精、不老長寿の効がいわれている。
野山にある、およそ食べられるほどのものは何でも食べた、田舎そだちの私だが、これだけは、今まで、知らなかった。毎月の徒歩の会のたびに探がしてあるいていたが、ようやく昨年、瀬戸内の島や海岸の山にことに多いことを知った。
夏7月、小さい白い花がついて、冬12月には黒い少さい実になっていた。つややかな、形のよい葉にも少し酸っぱ味があり、歩きながらしがむと仲々うまい。少々かたいが青汁材料にも結構なるし、真冬にも青々とした葉が得られることも有難い。

 


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