はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

叱ることは効果がある? 『叱る依存がとまらない』その3

2023年04月02日 | 
2023/04/02


村中直人著『叱る依存がとまらない』の続きです

「叱ることは効果があるのか」
についてです。

 


結論から言うと
「叱る」は学びや成長につながらない。
学びを促進する効果はないとのこと


著者は次のように説明しています。

叱る行為は攻撃性をはらんでいるので 
相手にネガティブな感情を引き起こさせます。

ネガティブ感情の基本は
防御システム」と呼ばれるもの。 

叱られるときに働いているのは
脳の扁桃体という恐怖や不安に反応する部分。
 
生存確率を高めるため
戦うか、逃げるかの反応を引き起こすのです。

扁桃体が過度に活性化するような
ストレス状況は
知的な活動に重要だと考えられている脳の部位
「前頭前野」の活動を大きく低下させます。

𠮟ってストレスを与える状況では
人は学べないのです。

罰を与えるのは
「教育」や「しつけ」とは遠いものです。


自分でコントロールできない叱責や罰は
「学習性無力感」を作り出します。

コントロールできないのだから
やる気が起きないのです。
学ぼうとしなくなります。


では、どんな時に人は学べるかというと
冒険モードのときにもっともよく学べるというのです。

冒険モードは人から強いられてやるのではなく
周囲の状況に好奇心を持って
自分から行動していくことです。

自分でやりたいと決めて
自分でしている感覚を持ちます。

学びや成長にはこれが大事だそうです。







でも、悪いことをしたら
叱らなくてはならない場合もあります。

𠮟るときの注意点が書いてありました。

☆上手に叱り終わる(叱り続けない)。
   
 簡潔に短めに、ってことですね。

☆「危機介入」か「抑止」以外の場合は
叱る意味がない。

☆「叱る」は予防的に用いること。
     
あらかじめ、「それをすると叱るよ」と
予告しておくと 
苦痛を予想するので、避けられます。

これは𠮟る前の「前さばき」というのだそうです。
  問題が起こる前に対処することを重視して  
予測する力を鍛えるのです。


𠮟る立場にある人こそ
叱らないですむ方法を考えるのですね。

人の考え方、情報処理の仕方は多様です。
自分の経験や一般論だけで「あるべき姿」を
決めつけないことも大事ですね。







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