はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

プラスティックアニメの教育的意義

2019年07月09日 | リトミック
2019/07/09


なんだかお堅い見出しだと思われるでしょう。
聴きなれない言葉ですが、「プラスティックアニメ」はリトミックの用語なんです。そんなに難しいことではありません。

リトミックの教育方法の中には「プラスティックアニメ」と呼ばれるものがあります。
このブログで以前にも書いていますが、「動的造形」あるいは「造形運動」というものです。

プラスティックとは、あのプラスチック製品と同じ語源で、好きな形に作ることができる(可塑性)、という意味です。プラスティックという工業製品ができる以前にダルクローズがこの言葉を使っていて、その後工業製品のプラスティックが作られるようになったようです。今ではプラスティックといえば、合成樹脂の製品を指すようになりましたね。

さて、この「プラスティックアニメ」はリトミックの中でも大事な概念です。この教育的意義ということですが、リトミックの創始者・エミール・ジャック=ダルクローズは著書『リトミック・芸術と教育』に書いています。

私もこの本は持っていますが、実は長期間積読状態です。ダルクローズの本は総じて難解で読みにくいのです。そのあたりをリトミック研究センターの会長・板野和彦先生は、最近届いた会報誌にわかりやすく書いてくださっています。

振付の決まっている踊りは、自分の感じたことをストレートに身体運動で表現できているとは言えない。心で描いたものを動いているわけではない。心と体を調和させるためにはリズムや音の動きをそのまま正確に身体表現する必要があるとダルクローズは言っています。

リトミックは「心と体の調和」ということをよくいいます。心で描いたことをすぐに体で表現できることが「心と体が調和している」といいます。


プラスティックアニメの教育的意義については

1.脱力、つまりリラクゼーションを導く
2.脳に生まれる考えを身体で表現することができる
3.脳の中に生まれてくる幻想や空想をスムーズに表現する
4.私たちの体の中にある本能的なリズムを解放することによりイメージが豊かになる
5.以上のことにより、じっくりと考えた動きと、自然に湧き上がってくる動きを両方とも表現豊かに行うことができるようになる

私も昔の研修中、自分でやってみて感じたのですが、プラティックアニメの自由さは難しくもあります。何をしたらいいのだろう状態、自分はなんと体の表現方法が乏しいのだろうと思ってしまいます。
しかし、決められた振りをなぞらなくてもよい自由さは心を解放し、リラクゼーションを導くのは確かです。

脳に生まれたイメージを人に見える形で表現できるようになる訓練、その人らしさが見える表現にする、それがプラスティックアニメです。体がスムーズに解放されると、心も解放されていくのです。





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