はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

3次予選 進藤さん、反田さん、角野さんの感想 ショパンコンクール

2021年10月15日 | ショパンコンクール

2021/10/15

 

昨夜20:20分からの進藤実優さん 午前0時の反田恭平さん、午前1時の角野隼斗さんの演奏を聴いた感想です。

いや、ほんとうにすごい実力の持ち主ばかり。

 

◆10/14(木)
20:20 進藤実優さん


4つのマズルカ Op.17
マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
ソナタ第3番 ロ短調 Op.58

まず進藤さんの4つのマズルカに魅了されました。マズルカってこんなにも可愛らしく優雅なものだったんだろうかと再認識した思いです。

進藤さんはもう自分の世界に入っていて、神が降りてきたような雰囲気で観客の存在も意識していないようでした。見ている方は、かえってその世界に引き込まれたのでした。

マズルカ風ロンドもソナタも、これが進藤さんのショパンの世界なんだなあと思いながら聴き入りました。

静かで優雅であたたかく瞑想的で、内面に迫ってくるような進藤さんの実力に圧倒されました。こんなにも力のある人だったんだなあ。

演奏後インタビューでも、「これがコンクールだということを忘れて純粋に音楽を奏でることに集中できた」とおっしゃっていましたが、見ていて、よくわかりましたよ。

 

 

24:00 反田恭平さん


3つのマズルカ Op.56
ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」
聖歌「神よ、ポーランドをお守りください」変ホ長調(ショパンによるハーモニゼーション、遺作)ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」

 

3年前からワルシャワのショパン大学で学ばれている反田さん。ショパンの魂、ポーランド人の魂を追求なさったことでしょう。

最初の出だしが静かで、抑え気味の演奏に感じられましたが、徐々に感情が高まり、たっぷりと表現していきました。反田さんの美しい音、力強さと優美さは健在でしたが、3次では、ことに精神性を追求するような演奏に感じられました。

聖歌『神よ、ポーランドをお守りください』はまさに祈りでしたね。美しかったです。

ポーランドで学んだのは、こういうことだったのだろうかと想像しました。ポーランド人の思うショパンに思いを馳せました。

演奏後の拍手も長かったですよね。観客は大満足だったと思います。

反田恭平さんは演奏後インタビューで、「このステージの怖さはあるし、自分に負けたかな。伝えたいことは伝えたが、やりたいことはできなかった。口惜しさはある」と意外なことをおっしゃっていました。

なんだか気落ちしているようにも見えましたが、反田さんなら本選は間違いないと思いますよ。

 

 

 

25:00 角野隼斗さん


4つのマズルカ Op.24
ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」
ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39

 

角野さんはもう集中して、自分のしたい演奏ができたようですね。角野さんは興が乗ってくるとうれしそうな表情を浮かべたりして、音楽を楽しんで没頭していることがわかります。

角野さんのピアノは基本、元気がよく、テンポが正確にきざまれるんです。これはクラシックピアニストがテンポを揺らしながら弾くのとはちょっと違っていて、ポップスをよく弾いている角野さん=かてぃんさんらしさがどこかに見え隠れします。

葬送行進曲では感情を抑え、淡々と葬儀の列が進んでいくような演奏。遠くの葬儀の列がだんだんと近づいてくるような長いクレッシェンドで、眼前に光景が思い浮かびました。一音一音の響きを大切にして弾いていましたね。

演奏後インタビューでも、「もう全く緊張はしないで、ただホールの中でショパンの音楽が鳴っている喜びを感じている。自分が無になるような感覚で音楽に集中していた。今日は特別な経験でした」とおっしゃっています。

2021ショパンコンクール~角野隼斗さん3次予選演奏後インタビュー 

 

反田さん、角野さんともソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」を演奏しましたね。

この3人の演奏を聴いていて、3人ともコンクールに入ってから、どんどん成長していると感じます。3人とも本選は間違いないと私は思います。

ますます今後が楽しみです。

 

 

 


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