2024/03/07
2017年の自作の読書ノートを見ていたら
『ピアノレッスンのためのリトミック』
(ジュリア・ブラック&ステファン・ムーア著
神原雅之/板野和彦/板野晴子/義本佳子訳 )
という本についての
詳しい書きつけがありました。
当時この本を精読していたことを
思い出しました。
今読んでも、とても参考になります。
自分の覚え書きとして
ここに書き写しておきます。
興味のない方には
「なんのこっちゃ?」でしょうが
少しでも音楽に関心のある方なら
役に立つ部分もあるのではないかと思います。
この本の訳者の神原雅之先生、板野和彦先生は
直接教わったことのある先生なんです。
ダルクローズの言葉
「音楽は楽器から離れて体験するべきものだ」
私達が学んでいるのは音楽そのものだ。
物理的な楽器を学んでいるのではない。
楽器は音楽を感覚の物理的世界にもたらす道具である。
全身をトレーニングすることが
優れた演奏をするための鍵になる。
ピアノを演奏するとき、身体は指をコントロールする。
そしてどんなに指だけトレーニングしても、
その器用さは、
私たちの目的であるゆったりとした美しさへ
導くことはない。
身体がまず指導されるべきで、
指は中央からのコントロールが指し示すものから、
その進むべき方向を見つけるのだ。
人は自分の体の中に
規則的な拍の感覚を作り出し感じ取る方法を備えている。
ダルクローズがリトミックを造った原点は、
音楽の一部となって動く感覚を目ざめさせること。
リズムは言葉では説明できない。
体験しなければならない。
さらに聴くだけでは確実に理解できない。
歌いながらリズムに合わせて動くことは大切だ。
本の中で紹介されていた曲のひとつ
↓
ため息(3つの演奏会用練習曲 S.144-3)(リスト)
フジコ・ヘミングさんの演奏、美しいですね。
訳者・神原雅之先生の解説(p187)
ピアノ学習は鍵盤操作の学習ではない。
ピアノは音楽の学習である。
ピアノ指導者の役割は
子どもの音楽的体験を導き、深化させること。
そして子どもの感性に即して、
ともに学ぶ学習の同伴者になることを求めている。
リトミックにおける筋肉運動感覚
(緊張や弛緩)の体験は、
音楽(旋律やハーモニーなど)に含まれている
緊張感や安堵感と重なり合っているといえる。
音はピッチの連続を伴うこともあり、
それもまた、緊張と弛緩の連続。
それは感情と深くつながっている。
ダルクローズが目指した音楽教育の目標は、
そうした感情に根ざした表現を
生み出すことであったといえる。
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長くなりそうなので
今回はここまでとします。