はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

ポーランド国立放送交響楽団コンサート

2022年09月08日 | コンサート
2022/09/08


昨夜は、川口リリアホールで開催された
ポーランド国立放送交響楽団
マリン・オルソップ指揮
ソリストは角野隼斗さん
の来日ツアーに行ってきました。





楽しみに待っていたコンサートでした。

いろいろ制約のあるこのご時勢
ポーランドから国立の交響楽団がやってくること。
日本公演は23年ぶりだそうです。
そしてソリストが角野隼斗さん。

楽しみでないはずがありません。





プログラム

バツェヴィチ
オーケストラのための序曲

ショパン
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11

(角野さんアンコール)
パデレフスキー
ノクターン作品16-4

・・・休憩・・・

ブラームス
交響曲 第1番 ハ短調 作品68

(アンコール)
モニューシュコ
歌劇ハルカ
第1幕「マズルカ」
第3幕「高地の踊り」

・・・・・・・・・・・・


ポーランド国立放送交響楽団の
序曲から始まりました。

実際に客席で聴いていて
重厚な響きに包まれて感動。


ショパンピアノ協奏曲第1番は
とても聴きたかった曲なので
最初の音が鳴った時には
思わずグッと涙腺にきました。

あのショパンコンクールを聴いて以来
深く聴き込んで大好きになった曲です。

その後何度も聴き返すたびに
コンクールの熱狂や感動が呼び起こされるのです。

この曲はピアノが入るまで4分くらいあります。

そしてピアノがはいったとき
その音量と音の響きに驚かされました。

例えてみれば
キラキラと金の粉とか宝石が空中に
散りばめられたような
キラキラした響きなんです。

音は細部までよく聴こえます。

時には甘く切なく、ゆったりと歌いあげます。
速いパッセージの軽妙で美しいこと。

お気に入りのメロディがたくさんあって
その箇所に来るとうっとりします。
(脳内麻薬)

ホントに至福の時間です。


この第1番はショパンが20歳の時の作品で
そう思うと、やはり天才だったと
思わざるを得ないのですが
華やかさと切なさと繊細な感受性が
入り混じった曲ですね。

終わった後はスタンディングオベーション。
演奏者も観客もこの時間が
感情の交流があって幸せです。



第2部はブラームスの交響曲第1番。
私はこの曲はよく知らないのです。

この交響曲は厳しく推敲が重ねられ
着想から完成までに21年もかかったそうです。

でも冒頭の悲劇的な陰鬱さに驚きました。

随所に感じられるベートーヴェンらしい響き。

第4楽章になってやっと
あのよく知ったテーマが聴こえてきました。
なんだかほっとしますね。

前半の陰鬱さから後半に行くにつれて
力強く光が見えてくるようです。

アンコールは打って変わって
マズルカと高地の踊りという軽快な曲。


こちらも終わった後は
スタンディングオベーションで
指揮者のマリン・オルソップさんも
オーケストラ団員もうれしそうでした。

日本ツアーの最初の公演ですから
観客の反応は気になるものでしょうね。

幸先の良いスタートを切ったのではないかしら。

全国11か所は長丁場ですが
健康に気をつけて乗り切ってもらいたいと
心から思いました。

心の栄養をもらって
これでしばらくは生きていける。
大袈裟ではなく。


ショパンのピアノ協奏曲第1番は
9月10日の大阪のシンフォニーホールの演奏が
ライブレコーディングされるそうです。

記録に残されるのは、ありがたいことですね。








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四国旅行 2日目は愛媛県内子町から宇和島、足摺岬へ

2022年09月07日 | 国内旅行
2022/09/07


気のむくままに書き始めた四国旅ですが
書かないと忘れていってしまうので
このあたりでまた旅行記録です。


四国入りした2日目午前中は
愛媛県喜多郡内子町の街歩き。

旅行に行くまで
内子町のことを知りませんでした。

明治時代の内子町は木蝋生産が盛んで
今も古い町並みが残っています。


大正4年(1915年)に建てられた内子座。




昭和58年に復元された
今も現役の芝居小屋です。



貴重な木造の建物ですね。
説明をしてくださってます。






内子町の街歩き。

商いと暮らし博物館



人形が「いらっしゃいませ」。


竜馬さんの顔ハメ看板や黄門様
レトロ感が漂います。




今も和蠟燭を手作りしているお店では
職人さんが熱い蝋を手につけて
作っている様子も見せてもらいました。






木蠟資料館 上芳我邸 




内子町では蒸し暑さの洗礼を受けて
観光しながらも、頭がぼ~としました。
真夏の観光は体力勝負。


宇和島に移動して、鯛めしの昼食。

宇和島の鯛めしは刺身の鯛をのせて
だしをかけたご飯。


 
立派な鯛!


出汁の中に鯛の刺身を入れて




ご飯にかけていただきます。

(写真がボケてます)
新鮮な鯛のお刺身はおいしかったです。

観光物産センターで買った今治タオルのマフラー




さて、午後は四万十川の川下りですが
先日書いたので省きますね。


宿泊は足摺岬の足摺国際ホテル



足摺岬が一望できて見晴らしが抜群のホテルでした。

部屋の窓からもよい眺め




夕食
高知名物の皿鉢会席料理




カツオのたたき



本場のカツオのたたきが食べられて満足!



種類が多くてお腹がいっぱいでした。


次回は足摺岬歩きと高知市内について書きます。





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内田樹著『そのうちなんとかなるだろう』

2022年09月06日 | 
2022/09/06


本の紹介です。

 
ほとんどしゃべっているような
文章のおもしろさ。

と思ったら、それもそのはず。

ウェブマガジンNews picksの
ロング・インタビューをもとに
再構成したものだそうです。


着眼点のおもしろさ。
解釈のおもしろさ。

スピリチュアルな部分もかなりあり
科学的根拠はわからないけれど
「〇〇とはこういうものです」
と言われると
「なるほど、そうだったのか」
と納得してしまう。


内田氏は1950年生まれですが
50年代の東京の下町
当時の日比谷高校の学友
東大駒場寮の話

助手という研究者生活
大学教員採用試験に32回落ちたこと
神戸での大学教員生活
父子家庭の子育て


「時代の空気」を知るうえで役に立つ証言が
できればいいかなと思ったと
書いています。

上にあげたものはどれも
「へぇ、そうなんだ」と興味深かったです。



HPの立ち上げから
それがもとで本の出版に至る

内田氏は1998年代からHPを始めています。
これはわりと早い方でしょうね。

発信したいことが山のようにあったそうで
元々書くことが好きな人だったんですね。




60年代後半から70年代の大学の雰囲気
当時の大学の教養主義とか。
思想の潮流とか。
出版社のこととか、本の編集とか。

夫のやっていたことと重なる部分もあり
昔の夫を知る手掛かりになったり
しました。


内田氏のものの考え方は
合気道から学んだことが大きいように
感じられますが

そもそも合気道を学びたいと思い
それが何十年も続き
自宅兼道場まで建てていることを思うと
もともと合気道と近しい心性が
あったのでしょう。



「第3章 生きていくのに、一番大切な能力」
に書かれているアドバイスの数々。
ここが一番面白かった。

世の常識からするとちょっと斜に構えている。
しかし、そうかもしれないなと
思わせられてしまう。


しかし全体を読むと、昔ながらの
世話好きオジサンが
「こうしたほうがいいよ」と
言っているような雰囲気もあります。


引用させていただきます。

・・・・・・・・・


「侍は用事のない所には行かない。」
というのは多田先生(合気道)の教えでもあります。
トラブルというのは、
いなくてもいいときに、
いなくてもいいところにいるせいで起きるものです。 
 トラブルというのはまさに
不適切な時間と場所の産物なんです。

どこにいっても長居は無用です。
用事が終わったら、さっと立ち上がって、さっと帰る。
(P.196∼197)


決断とか選択は
できるだけしないほうがいいと思う。
右の道に行くか、左の道に行くか
選択に悩むというのは、
すでにそれまでにたくさんの選択ミスを
犯してきたことの帰結です。

普通に自然な流れにそって道を歩いてきたら、
「どちらに行こうか」と
悩むということは起こりません。

決断を下さなくてはいけない状況に
立ち至ったというのは、
今悩むべき「問題」ではなくて、
実はこれまでしてきたことの「答え」なのです。



やりたくないことはやらないほうがいい。

稽古に行くつもりだったけど、朝起きてみたら
「なんとなく行きたくないな」と思ったら、
その直感を優先したほうがいい。
身体が「行ってはいけない」と
アラームを鳴らしているんです。

体が行きたくないと
警告を発しているのを無視して、
いわば「アラームを切って」
出かけているわけですから、
センサーが働かない。
要らぬトラブルに巻き込まれる。
(P.203)


「自分らしさ」が際立つのは、
「なんとなく」選択した場合においてです。
特に計画もなく計算もなく、
意図もなくしたことにおいて
「自分らしさ」は鮮やかな輪郭を刻む。(P.213)


いつも頼まれ仕事が転機になった。
自分からやらせてくださいと頼んだことはない。
「そんな仕事僕にできるかな。
(したことないし)」
と思いながらも引き受けたことが
きっかけになって、
予測もしなかった繋がりが成立し、
自分が蔵していた思いがけない
潜在的な資質を発見した。


若い人に話すときには
「決断するときに、
その理由がはっきり言えることは
どちらかというと選択しないほうがいい」
と申し上げる。
自分が本当にしたいことについては
すらすら理由が言えるはずがない。
(P.234)


心と直感に従ってなんとなく選択する。 

理由はうまく言えないけど、
なんとなくやりたいことを選択的にやったほうがいい。
それが実は自分がいちばんしたかったことだった
とは後になってわかる。


・・・・・・・・・・・


ずっと読んでいくと
外向性とおしゃべりと柔軟性、行動力。
自分を枠にはめていないところが
内田氏の成功の秘訣かなと感じました。










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内田樹氏の本を読んで思い出した昔のブログ

2022年09月05日 | 
2022/09/05


10年前、昔のブログに書いていた
記事を読み返したところ
面白かったので
下に書いておきます。

今は下書き状態になっているので
誰の目にも触れていないのです。


・・・・・・・・・・・

2010/06/27


2007年出版の本ですが
養老孟司・内田樹氏の対談『逆立ち日本論』
を読んで、思わず笑ってしまいました。

このおふたりはおばさんと話すのが
苦にならなくて
自分たちをおばさん的と
言っているんですが
「おばさんの話」という部分がおもしろい。


 


部分的に引用させていただきます。

おばさんの話というのは
話が「ツリー状」に階層的に体系化されていなくて
 「リゾーム状」に脈絡なく
だらだらと横に広がっていく。
 
おばさんの思考って
頭で考えたことではなくて
 どちらかというと非常に身体感覚的ですよね。
 
論理がふらふら揺れる。

おじさんって頑固ですけど
おばさんはあまり頑固じゃない。
 
おじさん相手の場合
意見が一度対立すると
調整するのが大変ですけど

 おばさん相手なら
話の具体的な細部について
いちいち「そうそう」と
頷いてさえいれば

 それらの具体的な細部から
ひとつ抽象的な結論を演繹するときは
極端に言えばどんな結論にいっても
おばさんは気にしないんです。


ですから、実名入りの具体的な世間話を
あれこれした後に
結論として出てくる命題は
 「結局お金だ、ということよね」になっても
 
「やっぱり正直が一番ということよ」になっても
 
「頭のいい人は違うわね」でも、何でも繋がる。
 
縦方向に繋がりがないから、
どんな結論でもいけるんです。

(ここまで本の引用)


そうそう!

私自身おばさんだけど
おばさん達と話していて
「どうしてそっちの方向にいくの」とか
「結論って、それ⁉」と思うことはありますね。


たぶん、話の内容はどうでもよくて
コミュニケーションをとってることに
意味があるんだと思います。

・・・・・・・・・・・・・


これが12年前に書いたブログです。

今読み返して、ああ、そうだったなあと
おもしろく感じるけれど
最後の自分の感想は少し変わってきたかな。

「話の内容はどうでもよくて」
という場合もあるけれど

「人は自分と意見が違うものだ」
というのが根っこにあって
「そういう考えもあるのか」とか
「少し違うけど、同意しておこう」
となったり
「その程度の内容では言い争わない」
というスタンスが
おばさんにはあるのではないかと思います。


昔のブログを読みかえすと
私が内田樹氏の著作(対談ですが)を読んだ
最初の本が『逆立ち日本論』でした。

最近また内田氏の本
『そのうちなんとかなるだろう』を読んで
ああ~おもしろかった
と思って
私が内田氏の本を読み始めたのは
いつ頃かなあ、もう記憶が定かでないので
調べたのでした。



次回には
『そのうちなんとかなるだろう』
のことを書こうと思います。




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「鎌倉殿」が面白い

2022年09月04日 | テレビドラマ
2022/09/0


7月頃からかな
「鎌倉殿の13人」にはまりました。

それまで大河ドラマは見たことがなかったんです。

歴史にもあまり興味がなかったし
戦いの物語が多いし
男の人の考え方で動く世界だし・・・

私には遠い世界でした。


で、鎌倉殿も最初は見ていなかったんです。

すじもわからないまま
ある日、チャンネルを合わせて見ていると
小栗旬さんの困ったような
悩んでいるような
深刻な表情が写っていました。

セリフも少なく
ときどき困った表情が写るのです。

この人はいつも困っているんだな
と思いました。

小栗旬さんのことはあまり知りませんでしたが
困っている顔がいいなと思ったんです。

小池栄子さんも落ち着いて堂々として
政子にふさわしいと思いました。

坂口健太郎さんはまっすぐで初々しいな
と思いました。

それで、登場人物がみんないい。
すじがとにかくおもしろい。

そして毎回見るようになったのです。

でも最初は大河ドラマの時間に
テレビを見る習慣がなくて
30分も過ぎた頃から
あ、今やってるんだったと気づくのです。

あとでNHKプラスでも見られますしね。

登場人物や相関図、すじを確認してから
楽しみに見ています。

歴史もおもしろいものだなと感じます。


三谷幸喜さんはコメディ映画や
劇は見たことがありますが
こういう歴史大作も毎回見どころを作って
おもしろく書ける人なんですね。





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