高速の側道のフェンスに絡まっていました、いまどこでも見られる花です。
ヘクソカズラ (屁糞蔓)とは、また衝撃的な名前を付けたものです。確かに花全体に異臭がしますが、それにしても季語(夏)に詠み込むのにも躊躇ってしまいます。
花の中央が赤茶で、お灸の跡のようなので、ヤイトバナ(灸花)ともいうようなので、そちらの方が5文字で使いやすいかもしれませんが、知名度ではヘクソにかないません。
名をへくそ かづらとぞいふ 花盛り 高浜虚子
灸花にも散りどきのきてゐたる 大澤ひろし
町内の空き地に一面のツルボ(蔓穂)、よく似たヤブラン(藪蘭)は花後にユリ科独特の細長い葉が一年中ある常緑多年草ですが、このツルボは花期以外はひっそりとその存在を主張せず、毎年花が咲いたのを見て気がつきます。球根は食糧難のときは、何日もかけてあく抜きをして食したようです。
蔓穂も藪蘭も、私の歳時記には載っていません。情報としてはどちらも初秋の季語として使ってもいいようなことが書いてありました。