顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

いっきに春到来!

2018年03月29日 | 季節の花
今年は久方ぶりに寒い冬でしたが、3月になると今までを挽回するように暖かくなり、逆に例年より早い春の訪れになりました。

ニュータウン内の公園のコブシ(辛夷)の花、早春の野山を飾る一番花です。果実が握り拳のような形をしているから付いた名前と言われています。千昌夫「北国の春」のリズムが浮かんでもしまうのは、当時カラオケの演り過ぎだからでしょうか。

ウグイスカグラ(山鶯神楽)の花を見つけました。6月ころの真紅のみずみずしい実は、サンガリコッコとよび、うす甘い山のおやつでした。面白い名前は、ウグイスガクレ(鶯が隠れる木)が転じたとも言われています。

ヤブツバキ(藪椿)は近在のそれこそ藪の中によく見かけます。シンプルな一重の花にこそ和の美しさがあるような気がします。

六地蔵寺の枝垂れ桜は、メインの古木の樹勢が弱って二回り以上小さくなり、後継木が取って代わろうとしています。そのせいか樹の周りを今年から柵で囲いましたが、もっと早めにやっておけばと悔やまれます。

病院駐車場のヨウコウザクラ(陽光桜)、色がいちだんと鮮やかで、最近よく見かける桜です。
戦死した教え子たちの鎮魂と、世界恒久平和への願いを込めて、元教師が在来種のアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)との交配によって作出した平和の桜として知られています。

通りの植え込みの間から己の存在をアッピールするように、ボケ(木瓜)が満開です。果実が瓜に似ており、木になる瓜で「木瓜(もけ)(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとも言われています。薄い絞りが控えめな色気を漂わせています。

町内の空き地にムスカリが顔を出しました。壺の形をした紫の小花が、ブドウの房のように密集してなんとも愛嬌があります。隣家のモクレン(木蓮)の花も、賑やかに見下ろしています。

鉢植えのニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)は、2色咲き分けのように見えますが、咲き始めの紫色からだんだん白くなっていく、いわゆる「移り白」です。名前の通り、甘い香りが漂います。名前の漢字は、匂は芳香、蕃は外国、茉莉はジャスミン類のことを指し、「香りのする外国のジャスミン類」となりますが、ナス科の低木でジャスミンの仲間ではありません。