たまたま目が覚めてしまった朝、久しぶりに歩いてみるともうすでに秋の気配が感じられました。
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オオマツヨイグサ(大待宵草)は名前の通り、夕方開花して翌朝には萎むのですが、今朝は何とか待っていてくれました。
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カラスウリ(烏瓜)は、早朝でも妖艶な花を閉じてしまいましたので、同じ場所で撮った在庫写真を並べてみました。
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ツユクサ(露草)は朝咲いた花が昼には萎むので、朝露を連想してつけられた名前とか…、花の形から蛍草とも言われ、いま葉室麟原作の「蛍草 菜々の剣」がNHKBS時代劇で放映中です。
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ナツズイセン(夏水仙)はヒガンバナ(彼岸花)の仲間、花が枯れた後に葉が伸びるヒガンバナに対し、ナツズイセンは春に出た葉が枯れた後に花が咲くという変わり者です。
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クズ(葛)の花、どこでも蔓延ってしまう嫌われモンですが、新芽と葉は天ぷらにすると美味です。ネットでは葛の花由来のイソフラボンが、内臓脂肪を減らす効果があるといま大きく謳われていますが…。
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賑やかな色の実は、ウワミゾサクラ(上溝桜)です。枝や葉はサクラに似ていますが、小さな花が穂状に咲き、その若い花穂や未熟の実を塩漬けにしたものを越後地方ではアンニンゴ(杏仁子)と呼び、酒の肴などにするそうです。さすがの楽天、amazonでも扱っていませんでした。
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高速道下のフェンスに絡まったミツバアケビ(三つ葉通草)、毎年熟れる頃にはどなたかの腹に収まっているようです。
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シバクリ(芝栗)もこんなに大きくなりました。もうすでに虫食い状態になっています。
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さて、可愛そうな名前のついた植物3種…。
ヘクソカズラ(屁糞蔓)は、メルカプタンというスカンクの屁と同じ揮発性物質を持ち臭いですが、よく見ると長く曲がった雌しべが顔を出している可愛い花です。
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クサギ(臭木)は、葉でも揉まないかぎり匂わず、それどころか花は甘い香りがするので、命名には同情してしまいます。
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ゴンズイは、毒を持つゴンズイ(権瑞)という海水魚と同様何の役にもたたないというのが命名の由来(牧野富太郎説)とされますが、異説もいろいろあるようです。
二ひらの花びら立てて蛍草 松本たかし
露草も人の心も朝素直 後藤比奈夫
抱一の観たるがごとく葛の花 富安風生
渋の湯の裏ざまかくす葛の花 水原秋櫻子
露草も人の心も朝素直 後藤比奈夫
抱一の観たるがごとく葛の花 富安風生
渋の湯の裏ざまかくす葛の花 水原秋櫻子