年々夏の暑さが厳しく感じるのは、地球温暖化と加齢のせいでしょうか。今年はマスク生活で暑さも一入でしたが、やっと秋の風が感じられるようになってきました。
野山で見られるヤマハギ(山萩)です。萩は秋の七草の一つで、万葉集に一番多く142首も詠まれ、また草冠に秋という字で、まさに秋そのものを表しているようです。
同じ萩でも北米原産の帰化植物、アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)は、荒れ地に生え、実が盗人のように密かに衣服にくっつく萩の仲間というのが名の由来でしょうか。
野生の栗の実も大きくなりました。山栗、この辺では柴栗ともいいます。縄文時代から食用とされてきて、現在栽培されている様々な品種の原種となっています。
ヤマブドウ(山葡萄)も小さな房に実を付け始めました。正確にはエビヅル(海老蔓)という品種ですが、この辺ではヤマブドウで通っています。
キレハノブドウ(切葉野葡萄)、葉の切れ込みが深いのが特徴で食べられませんが、秋が深まるときれいな色に色づきます。
大きなマメ科の花は、クズ(葛)です。蔓延るという字そのものの繁殖力で、廃屋などを覆い隠してしまいます。
ノアズキ(野小豆)はマメ科のつる性多年草で別名ヒメクズ (姫葛)、小さな花で目立ちませんが日本全国で見られます。
クサギ(臭木)は葉を揉むと臭いので命名されましたが、花は芳香があり実も濃い藍色が美しく、昔から染料に使われました。
犬は可哀そうです、植物の名前で役に立たない、つまらないものにはなぜかイヌという字がつけられてしまいます。このイヌゴマ(犬胡麻)もシソ科の特徴である大きく口を開いた唇弁花がきれいですが、胡麻に似ても食べられない雑草なのでイヌが付いてしまいました。
イヌホオズキ(犬酸漿)も同じ、ナス科の植物でも役に立たないからの命名です。可愛い実を付けますが、繁殖力が強く厄介な雑草として嫌われてはいます。
調べてみるとイヌが付く植物は100種類以上あるという報告も出ていました。