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コロナ禍で期間中のいろんなイベントが縮小されましたが、偕楽園萩まつりが9月5日より9月27日まで行われています。
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偕楽園の萩は、天保13年(1842)偕楽園を創設した水戸藩第9代藩主徳川斉昭公が園内に植えたと言われています。その時仙台の伊達藩から譲り受けたというミヤギノハギ(宮城野萩)のほかヤマハギ(山萩)、マルバハギ(丸葉萩)、シロハギ(白萩)などの750株が園内の見晴らし広場を中心に咲き乱れています。
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以前は、日光白萩、江戸白萩の二種の白萩が園内にあるといわれてきましたが、両者とも確立した品種名として図鑑には出てなく、園内でもその品種を確定することはできませんでした。
一般的には、ミヤギノの変種とされる白萩が多いようですが。
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また、萩の品種の見分け方は難しいです。交雑のせいでしょうか、同じ種らしき個体も葉の形が違っています。例えば園内に一番多いミヤギノハギ(宮城野萩)の特徴である枝が柔らかく枝垂れて花が多いという木を見ても、葉の先が尖ったもの、丸いものが見られます。
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これはマルバハギ(丸葉萩)でしょうか。
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また枝が垂れずに直立するヤマハギ(山萩)は、丸型で葉の先が凹型のものが多いような気がしますが確定できません。左がヤマハギ、右がミヤギノハギのようには見えますが…。
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ところで、萩の花はマメ科に多く見られる蝶形花で、5枚の花弁がそれぞれ子孫を残す仕組みを持っています。昆虫に花の存在を知らせる大きくて目立つ「旗弁」の根元には蜜があり、寄ってきた昆虫が吸密しようと左右の「翼弁」に足を載せて踏ん張ると、下方の「舟弁」が開き束になった雌蕊雄蕊が現われて昆虫に触れ受粉するようにできています。
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たまたま飛んできた蝶も蜂も大きすぎて花を隠してしまい、受粉のプロセスは確認できません。
蝶は調べてみるとツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)?、黒い縁で豹の模様…まさしく見た目通りの命名です。
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万葉集で一番多く142首も詠まれた萩の花、1300年前もこの秋の花に思いを寄せている日本人を誇らしく思いました。
秋の野に咲ける秋萩秋風に靡(なび)ける上に秋の露置けり 大伴家持
秋萩の咲き散る野辺の夕露に濡れつつ来ませ夜は更けぬとも 詠み人知らず
高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに 笠金村