顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

西山公園の桜…サクラまつりは中止でも?

2021年04月04日 | 季節の花

常陸太田市は平安時代末期よりこの一帯を支配した常陸の豪族、佐竹氏の本拠地として約470年も繫栄した歴史を持ちます。小田原北条氏との戦いでは豊臣秀吉に常陸国の所領54万8千石を安堵されますが、関ヶ原の戦いでは明確な態度を示さなかったため、徳川家康の命で出羽国秋田に移封されてしまいます。その後水戸徳川家の領地となり、2代藩主の光圀公が晩年隠居してこの地に住んだことでも知られています。

その光圀公の西山御殿の約700m東、4.8haの広大な丘陵地帯に植えられた、ソメイヨシノを中心に約1500本もの桜が一斉に花を咲かせていました。

コロナの影響で桜まつりは中止になり、園内には花見宴会の禁止、マスクの着用などの看板が立ち並んでいます。紅く見えるのは、モミジの新芽です。

駐車スペースもほとんど空いていて、家族連れらしき数組がお弁当を広げているだけの淋しい光景ですが、桜は見事に花を咲かせています。

小高い丘陵地帯にある高低差が、一面の桜をさらに増幅してくれる効果になっている?ようです。

最高部に展望台が設置されています。

展望台から北部の眺めです。阿武隈山系多賀山地が視界を横切り、その最高峰高鈴山(日立市・623m)が見えます。

桜のほかにも,ツツジやフジ,アジサイなど四季折々の花が咲き誇り、秋には紅葉など一年を通して楽しめる公園になっています。また,この一帯は茨城県立自然公園にも指定されており,周囲に整備された自然や歴史を散策する遊歩道の拠点としても活用されています。

来年こそは多くの方に、せっかく咲き誇っているこの桜を安心して見てもらえるようになることを願わずにはいられません。