顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

ホタルブクロ(蛍袋)…吸蜜昆虫様大歓迎

2022年06月25日 | 季節の花
壊れたパソコンに応援のアクションをありがとうございました。
結局、HDDの交換など修理代がビックリするほどの値段でしたので、新しく購入することにしました。
おかげでウインドウズ11と付随の昇格スペックで、びっくりするほどの速さを味わっていますが、2年半で壊れる脆さに信頼感がすっかり失せてしまいました。データもすべて消滅、バックアップを頻繁に行うことの大切さを改めて痛感しました。


今年はいつもよりホタルブクロ(蛍袋)を目にしたような気がします。こんな野草にも当たり年があるのでしょうか。


ホタルブクロは日本全国に自生しているキキョウ科の多年草で、釣鐘型の可愛い花は古くから親しまれてきました。


ちょうどホタルの時期に咲くことから名の由来は、筒状の花の中にホタルを入れて灯りを楽しんだという説や、提灯を古語で「火垂る(ほたる)」といったことからという説などがあります。


花の色はこの辺では薄紫から濃紫の花を見かけますが、一般的には関東では濃い紫、関西では白色が多いとされているそうです。


ところでこの花は、「雄性先熟」という自家受粉を避けるシステムを持っています。写真の5本の雄蕊はこの時期には成熟して奥にある蜜を吸いに来た昆虫に花粉が付着しますが、まだこの花の雌蕊は成熟せず、飛んで行った他花の成熟した雌蕊に受粉します。


花の中にも繊毛がたくさん付いています。これは下向きの花にもぐりこんだ昆虫が滑り落ちないようにその足場として発達してきました。
この時期には雌蕊は成熟して裂けています。(普通は3裂ですがこの花は4裂していました)


たまたま飛んできた蜂がピンボケですが、しっかと足場の毛に乗っているのが分るでしょうか。
このように「より優れた子孫」を残すため、他家受粉をさせるシステムと吸蜜昆虫への手厚いサービスを完備した花でした。

螢袋夢二の面長乙女めき  高澤良一
ながあめの晴間ほたるぶくろは袋干す  山口青邨
蛍袋は愁ひの花か上向かず  鈴木真砂女