顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

秋の気配濃厚…散歩道で

2022年10月10日 | 季節の花

ステイホームが当たり前になりつつありますが、たまに出た散歩通では樹々が色付きはじめていました。


ナツハゼ(夏櫨)は日本のブルーベリーとよばれるそうです。そんなことはつゆ知らず少年時代は、「ハチマキボンボ」という名の山のおやつでした。


見つけました、ハツタケ(初茸)です。シーズンの初物として古来より珍重されました。5,6個採れましたので、もちろん美味しく秋を味わいました。

初茸の無疵に出るや袂から  一茶


ミゾソバ(溝蕎麦)は湿った場所を好むタデ科の仲間、アップで見ると金平糖のようなかわいい花です。


似ているヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)は、増えすぎて困るという話をよく聞きます。


この近辺でヤマブドウといってるこの実は、正確にはエビヅル(海老蔓)だそうです。


野性のシバグリ(柴栗)が落ちていても拾う人は少なくなりました。数個ポケットに入れて帰ったら、数日後には虫の粉が出ていました。縄文人の集落にも植えられていたといわれています。


クズ(葛)の花が終わり、マメ科独特のサヤ(莢)状の実が生っていました。


同じくハギ(萩)の花もマメ科、小さい実が生っています。


いかにも秋を感じる地味なこの菊は、シロヤマギク(白山菊)でしょうか。



番外編。
コスモス畑を宣伝している近くの町の公園に行って来ました。あまりにも馴染み過ぎているので、在来種と思っていましたが、メキシコ原産の外来種でした。
歳時記では、コスモスは外来語なのでカタカナ、秋桜は別名で詠まれていますが、山口百恵のヒット曲からコスモスの漢字として秋桜が使われるようになったという話もありました。


コスモスや無人駅にもある別れ  溝口麗子
コスモスににらみをきかす赤ん坊  夏井いつき
秋ざくら霧の迅さにみだれけり  町田しげき
風去れば色とり戻す秋桜  稲畑汀子