偕楽園公園の「桜山」は名前の通り桜の山です。桜紅葉(さくらもみじ)という季語があるほど、他の木に先駈けて変化に富んだ色を見せてくれます。残念ながら撮影時には散ってしまったので、暇な仙人が落ち葉を並べてみました。
偕楽園公園とは、偕楽園と取り巻く周辺の緑地帯300ha、自然が残る園内ではいろんな樹木が秋の顔を見せてくれます。
「護国神社」の杉林で撮った絡み付いた紅葉、上部の一枚葉の紅葉はツタ(蔦)、下部の三枚複葉でまだ緑色はツタウルシ(蔦漆)、こちらはかぶれ成分最強といわれるウルシなので要注意です。
前は駐車場だった谷に植えたもみじが大きくなった「もみじ谷」は、この時期人気の紅葉スポットにすっかり定着しています。
ここは名前の通り谷の中なので明暗がはっきりし過ぎて、仙人の技術やコンデジでは見た感じの色が再現できません。
やはり紅葉はいろんな色が混じった方がいいかな、仙人の拙い感想です。
もみじ谷の一角に柿の木がありました。大きな柿の葉の艶やかさは、他を圧倒しています。
「茨城県立歴史館」のイチョウ並木も、近隣の黄葉名所として知られ、13日まではイチョウ祭りが行われました。
銀杏(ぎんなん)がたくさん落ちていますが、最近では拾う人も見かけなくなりました。
洪積層台地上の歴史館の南面は沖積層の「沢渡川緑地」で水辺が多く、蓮池などのまわりには巨大なメタセコイヤが秋の色を見せています。
よく似ているのがラクウショウ(落羽松)、これは「西の谷緑地」にもあります。
葉の形を比べてみました。細かい葉が交互に(互生)出ているのがラクウショウ、向かい合って(対生)出ているのがメタセコイヤといわれます。また、ラクウショウは名の通り、羽のように繊細な感じとか…、区別がわかるでしょうか。
いちばんよくわかるのが、ラクウショウの気根です。水辺に生えるので、土中の酸素が不足するため地上に呼吸する根が顔を出しています。
「偕楽園」本園は洪積層台地上にあり、南側の崖下は沖積層の水辺で、新たに整備されたこの一画でも紅葉が見事です。
旧制水戸高校の寄宿舎にあった「暁鐘」は、戦時中に供出されたものがここに復元されました。まわりを黄葉が覆っていました。
台地上の偕楽園の池は、天然の千波湖を借景として取り入れているといわれますが、崖からの湧水を引いたこの水辺ではまた違った風景を見せています。
右側の林の上が偕楽園の本園です。
街中で色付いた自然を充分に堪能できる季節も間もなく終わりを迎えます。