大判カメラ日記。

ワイズクリエイト オフィス・木戸嘉一のブログです。

ペンタックス645D用4x5AD撮影テスト(4)

2010年08月02日 | カメラ機材
「ペンタックス645D用4x5アダプター」撮影テスト、最後の課題が“形の修正アオリ”です。用意した被写体は黄色の長方形の箱。ピントの確認等が解りやすくするためにワイズ、リンホフのシールを各所に貼付ける。通常、このよ様な箱もの商品撮影ではより立体感を出すために全面、側面、上面の3面が写る様に配置、構図するが今回は形の修正の可否判定のため全面、上面の2面撮影とする。カメラの高さを上にすればする程、形の修正アオリに必要なバックチルト量が大きくなり、必ずケラレが出る事が予想されるので被写体よりそれほど角度を付けずにセッティング。何故ケラレが予想されるかは、通常の4x5カメラはバックチルトする面がそのままピントガラス面でありフイルム面なのでせいぜい蛇腹のケラレ等を心配すれば良いのだが、今回は4x5カメラのバック部に645Dカメラを装着するのでピント面より更に645Dのフランジバック71mmが必要となり、ピント面を軸として回転するチルトアオリを使用すると645DのCCD面は、その後方で更に大きく振られてしまう事になる。写真上左がアオリ無しで箱を撮影。じっくり見ると箱の下部に比べ上部が若干大きくなっている事が解るとともに若干箱が前に倒れている様にも見える。写真上右が645Dの装着された後部アオリを垂直に近くなるまで立て、更にピント面を調整するためにレンズ面も垂直に近く立てて撮影した写真だ。箱の形や前に倒れた感じが無くなりアオリ写真としては完成されたものになっている。ただし写真上部が645Dのマウントにより見事にケラレている。予想をしていたとはいえちょっと残念だ。カメラのポジションが高くなればなるほどこのケラレは大きくなるので、この位のアングルで撮影し上部をトリミングすれば何とか使える。写真下左はケラレは前者より少ないが被写体の積み木ケースを画面ギリギリで撮影してしまったのでこのままトリミングしてしまったら写真としては使えなくなってしまう。この場合被写体を若干小さめに、ケラレを予想して上部のスペースを空けておく必要がある。この事さえ理解すれば大判カメラで撮影した完全なる修正アオリは無理だが何とかごまかすくらいの事は出来るかな?と言う感想だ。写真下右は東大構内で撮った東大マークの入った消火栓。形の修正アオリを調味料的にほんの少し使用して撮影。こんな感じで如何でしょうか?明日は「ペンタックス645D用4x5アダプター」のまとめをしたいと思います。