仕事が忙しくて夜遅くまで働く事があります。そんな時はオフィスを抜け出して夕食を食べに近くの食堂やラーメン屋さんに出かけますが、それも面倒なくらい忙しい時は宅配のピザや寿司をオーダーします。先日もえらく忙しく「久しぶりに寿司屋から出前をとろう」と贅沢ながら「特上寿司」を頼みました。暫くして配達されたのが写真の「特上寿司」です。何かいつもと違い握りの数も少なくネタも今ひとつ寂しいのです。配達してくれたのは近所の個人経営の寿司屋さんのご主人ですが「お寿司屋は今日で廃業します・・・商売が厳しくて立ち行かなくなりました」と本当に寂しそうな表情で語ってくれました。きっとバブルの頃なのでしょうが立地条件の良い場所に自前のビルを建て1階で寿司屋を営んでいた様です。ところが近年の不況と大震災の影響か、はたまた宅配寿司チェーン店の進出なのか売り上げは伸びずにビルの売却も考慮したそうですが金融機関から「テナントとして貸したら」とのアドバイスを受けて廃業を決めたそうです(悲しくなりますね)。注文された寿司のマグロを見ると上手く重ね合わせた2切れで一握りとなっていますし、ガリも近くのスーパーで買って来た様な感じがします。夜遅くの注文だったのできっと廃業日最後の寿司でネタも最後だったのかもしれないとも思ってしまいます。最後の寿司とばかりにゆっくりと1カンずつを頂きましたがその日の仕事はあまりはかどりませんでした。その後この寿司屋さんの前を何回か通りましたが「テナント募集中」の看板は今だに外されていません。