ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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石油ビジネスは、逆オイルショックに対応できる企業にとって大きなチャンス到来

2020年03月11日 08時51分17秒 | Weblog

株価と原油価格が大暴落して、円高が進んだことにより
「逆オイルショック」ともいえる突発的な現象が発生しています。

さらに、
コロナウィルスの問題も絡み合っているわけですから事は複雑ですね。

我が国の石油業界、特にリテール部門においては
フォローの風が吹いていると考える方も多いようですが、
私も同感です。
冷静に考えれば、円高と原油価格の暴落で原価が大幅に下がります。

問題は、
これまで不毛な販売競争に明け暮れてきた
我が国の既存石油販売リテール業者の意識だと思うわけです。
適正な販売価格で安定した経営体質を確立するための最後のチャンスです。

今回の「逆オイルショック」は
サウジを中心とするOPEC諸国、
ロシアなどOPECに参加していない非OPEC産油国、
そして、シェールガスの開発を進める米国による
三つ巴のエネルギー価格戦争です。

米国のシェール開発コストは原油価格にして約45ドル程度と云われていますから
25ドルから40ドル程度では採算に追わず、開発企業が淘汰されてしまうようです。

サウジの分岐点は10ドル以下と云う事のようですから競争力があるわけですが、
いかに豊かな国でも財政面から見れば高いに越したことはないはずです。

ロシアも国としての財政を考えれば、高いにこしたことはありません。

よくよく考えれば、
どこかの国のSS業者が馬鹿な価格の看板を提示して
安売り合戦をしているのと似ていると思いませんか?

リテールマーケットというものは、まさに市場によって決定されるものなのです。
日本の石油業界においては、そのほとんどが輸入に依存しているわけですから
零細企業が原油価格や為替を論じてみても意味がないと云う事に早く気が付く必要がありそうです。

仕入は安いに越したことはありませんが、
収益はあくまでも、それぞれの企業が販売するリテール価格により決定します。
市場の需給状態により発生する「業転」と呼ばれる流通玉は日本の国内における状況により発生します。

一般中小販売業者はその安値情報を取得するために掲示板などを見ながら仕入れの工夫をしています。
少しくらい、安く仕入れてもPBなどのハンディもあり安く売っているようでは、
何処まで行っても、堂々巡りのビジネスモデルとなってしまいます。

今こそ、自主性を発揮して自らの商売を見直し、
収益性の高いビジネスモデルを確立すべき時代が到来しています。

新たな、SS経営の時代に向けて・・・
全ての企業が利益を出して勝ち残ることはないと思いますが、

志のある、経営者の方にとっては大きなチャンスが到来していると思います。