三日目は熊ノ平小屋まで。
まっすぐに行けば、4時間足らずのコース。
それなら農鳥小屋にザックをデポして西農鳥岳を往復してこよう。
そして稜線に戻らず時間を短縮できる巻き道を三国平まで歩こう。
前日までそのつもりでいた・・・。
聞けば同室の若い女の子二人組もそのコースを行くと言う。
その子たちは自炊で、夜明け前に出発し西農鳥だけでなく農鳥岳まで行くという。
それじゃあまた熊ノ平小屋でね~と床につきました。
夜中からすごい風が吹いているのがわかりました。
えぇ~っ!明日はお天気悪いのかしら・・・。
あまり寝られず、高度障害か?朝方になって頭痛もしてきました。
山で頭痛になると必ず吐き気も起ってくる。
これはまずいと思ってバファリンを飲みましたが、朝食に間に合わなかった。
気持ち悪くてご飯がほとんど食べられず・・・。
頭痛はそのうち治まってきましたが、今日はどうしよう~。
予定通り歩けるのかしら・・・。
何だかすっかり気弱に・・・。
それでもとにかく支度を整え出発です。
外に出るとすごい風。まだ治まっていません。
ガスが少しかかり、今日はどうなのかな~?
でも富士山は見えます。
雷が来なければいいな~。
北岳はきれいに見えてきました。
仙丈ヶ岳には笠雲が。
この強風でガスが吹き飛んでくれればいいな~。
中白根への登りの途中でブロッケン現象!
ブロッケン現象は時々遭遇します。
でもこんなにきれいに虹色が出たのは初めて~。
私はストックを振り回していました。
中白根岳到着~。
ガスもすっかり消えて間ノ岳もきれいに見えてきました。
向こうに塩見も。
富士山。
北岳と甲斐駒。
間ノ岳に到着~。
あれまー。
塩見に雲がかかった~。
農鳥にも~。
お腹がすいて少し腹ごしらえしているうちに雲が取れてきました。
仙丈ヶ岳 甲斐駒ケ岳 北岳
こうして見ると、北岳の大きさに比べ仙丈と甲斐駒の小さいこと。
この先のコース、どうしようかな~。
まだ迷っていました。
農鳥に行こうと思えば行かれる気がする・・・。
でもよれよれになって遅くなれば、もしかして雷が来るかも・・・。
明日は長いコース。
無理してまた体調崩したら・・・。
何より今朝のご飯が食べられなかったんだから、
今日は無理しないで明日のために体力温存した方がいいんじゃないか?
いろいろな思いが巡ります。
で、結局 楽チンな選択 明日に備え体力温存とすることにしました。
のんびり稜線歩きを楽しみましょう~!
稜線を三国平に向い下ります。
仙塩尾根の小ピーク、三峰岳。(仙丈ヶ岳)
三峰岳からの下り。
右側にぽちっと白く見える熊ノ平小屋まで下ります。
塩見岳までの明日のコースも。
チングルマの穂。
このコースでチングルマを見たのは始めてかも~。
来た道を振り返る。
三国平。
広々として気持ちのいい場所。
間ノ岳からこちら、風も弱まりお天気はいいし~、あと30分ぐらいで小屋についてしまう。
少しのんびりしよう~。
熊ノ平小屋までぐんぐん下ります。
途中にマルバダケブキの群生。何箇所か。
畑みたい~。
のんびり来たけれど午前中のうちに熊ノ平小屋に到着~。
この熊ノ平小屋は水が豊富で有難い。
まだ誰も到着していなかったのでタオルを水に濡らし身体を拭きました。
玄関前のテラスでおでんとコーヒーを頼み眺めます。
西農鳥岳の西斜面。
午後1時ごろ、北岳山荘で同室だった女の子二人組が到着しました。
早っ! 早すぎっ!
さすが若さだね~。
でも私が若くてもこうはいかなかったでしょう。
熊ノ平小屋の夕食。
メインは豚の角煮でした。美味しかったです~。
4日目。
今日はいよいよ今回のメインコース、塩見への道。
お天気もいい!
樹林帯を進みます。
腰まである笹やら葉が朝露でズボンを濡らすので雨具をつけました。
樹林帯ばかりでなく見晴らしの良い場所もありました。
いい天気~!
あそこまで歩きます!
この日は北アルプス(槍穂高)も見えました~。
苔むした樹林帯。でも緩やかなアップダウンで道も柔らかくすごく歩きやすい。
ほぼコースタイム通りに北荒川岳に到着しました。
なかなか快調です。
塩見岳が間近に迫ります。
あそこまであと3時間ほど・・・。
振り返れば、仙丈、甲斐駒、北岳(頭がちょこっと)、間ノ岳、農鳥。
ピーカン!
富士山。
崩落した斜面をぐるりと回って北荒川岳を振り返る。
タカネビランジ。
石に囲まれ保護されていました~。
お初です。
もうだいぶ終盤でしたが。
ハイマツ帯やマルバダケブキ畑(!)、お花畑を通ります。
これは何でしょう?
ほかにお花は、ウメバチソウ、ミミナグサ、草丈の短いハクサンフウロ(?)、など咲いていました。
いよいよ北俣岳分岐への登りにかかります。
何だかうんざりする登り~。
分岐手前ですごくせり上がってる・・・。
時々振り返り景色を眺めます。
ずいぶん登ってきましたが、ガレザレで滑りそう~。
私はこの上部の登りが一番怖かった~。
すごくザレてて、ジグザグと登るのだけれど、一歩出すたびに滑りそうで怖かった。
ここは下りの方がもっと怖そう。
恐怖心を持つと余計怖くなるんですよね~。
私の後登ってきた中高年のパーティーはスタスタと登ってきました。
怖かったけれど無事に北俣岳分岐に到着~。
お腹がすいたのでお昼にします。
熊ノ平小屋のお弁当。
梅干し入りノリのおにぎりとゆかり?のおにぎり。そしてチマキでした~。
チマキは黄粉が付いて美味しかった~。
のんびりしているうちに何だか雲が出てきました。
北俣岳。蝙蝠尾根。
さあ! あと30分余りで山頂です!
塩見岳東峰到着~!
無情なガス。
30分は待ってくれなかった・・・。
今登ってきた道。手前は蝙蝠尾根。
塩見岳西峰に進む。(東峰を見る)
東峰の方が高いのだけれど、三角点は西峰にあります。
30分ほど粘ったのだけれど遠望は利かず。
時々うっすら部分的に見える程度でほんとにガッカリ。
またまた雷が来るんじゃないか~という恐怖もあり、下ることにします。
この後ピストンで登ってきた人はきれいに見えたそうです。
結局雷も起らず、もっといればよかったかな~。
さて、塩見岳からの下り。
夫からも途中で出会った人からも、また本でも、滑落に注意!と言われていて慎重に下ります。
岩がしっかりしていればいいけれど、浮き石が多いそうです。
私はザレているところがイヤだった。
出会ったおじさんから、『ザレているところはボーゲン歩きがいいよ。』と教えてもらいました。
うん!ボーゲン歩きがいいみたい~。
危険地帯は脱出しました。
シラネヒゴタイ? 初めて見ました。
お花は少なく、ほかにイワツメクサがあるぐらい?
南アルプス南部の山々も雲が多い。
塩見小屋は小さい小屋で完全予約制です。
女一人ということで、出入り口の脇に作られた押入れみたいな棚の上段を使うようにと言われました。
一人でカーテン付きの個室(?!) ラッキー!
食事はちょっと上品で山小屋らしくない食事をという拘りが感じられました。
とても美味しかったけれど、男の人にはちょっと物足りなかったかも。
ま、ご飯味噌汁は御代り自由だから~。
メインはフライ。ハスの梅はさみ揚げ、里芋、車麩、シイタケのフライ。
おかずは陶器の食器に盛られ、ここにも拘りが感じられました。
ここはお弁当も美味しいって誰か言っていたけど、頼まなかったのね~。残念。
いよいよ最終日。
小屋前からの日の出。農鳥岳のずっと先の稜線から出てきます。
ここからなら北岳もちらりと見えるんですね~。
塩見岳。ほんとに鉄兜みたいです。
今日も御天気よさそう。
前日景色が見えなかったからと再び登る人もいましたが、ここから山頂まで私なら往復3時間近くかかる。
ちょっとかったるすぎ~。
仙丈や北岳ぐらいならもう一度登るんだけれど・・・。
それまで十分景色も見られたし~ということでのんびり下山。
三伏峠への下り。
タカネマツムシソウが咲いていました~。
時々展望が開け、塩見岳を振り返りながら下山します。
三伏山。展望のよい場所でした。
もっとゆっくりしていたかったけれど、何だかもうガスが湧いてきています。
気持ちのよさそうなお花畑が見える。あっちでのんびりしよう。
と思ったけれど、鹿から守るため金網が張られていました。
今の時期、タカネマツムシソウがたくさん咲いていましたが、
こんな状態ではのんびり花を楽しむ雰囲気ではありません。
三伏峠に着くころには、一面ガスって周りが見えなくなってしまいました。
雨に降られたらイヤだな~。
雷がきたらこわいな~。
最後まで雷の恐怖から逃れられません。
早く食事を済ませてとっとと下りよう。
三伏峠からはずっと樹林帯。
こんな道もありますが登山道は整備されています。
コースが10分割され、歩く目安になります。
大きなキノコ~。
またまたマルバダケブキ。
鳥倉登山口バス停。
バスの時間には早すぎたけど、雨にも降られず雷も鳴らずに済みました。
塩見岳の頂上でぐるりと見渡せなかったのがほんとに残念。
そして初日雷にあった以外はとてもお天気に恵まれて、無事に縦走を終えることができました。
初夏のお花ほどの華やかさはないけれど、また違ったお花を見ることができました。
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