今朝、9時半頃、初老の夫婦がお寺の玄関に現れた。何か仕事をさせてくださいと言う。かつては三朝温泉に住み込みで働いていたのだけれど、仕事にあぶれ、瀬戸内なら仕事があろうと思って出てきた。が、その仕事も結局リストラされて、食いつないでいたお金も底をつき、野宿しながらここまで来た。それで、3日ほどなにも口に入れていないとのことだった。
どこへでも寝かせてもらって、お掃除でも何でもさせてもらえないかと言う。このお寺は構えは大きいが、檀家が少なく経済的な余裕がないと言うと、なら一時間でも結構だから何か掃除でもさせてくれと言う。
いわゆるものもらいというのとも違う。ただお金を下さい、食べ物をめぐんで下さいということではなかった。そこで、そこまで言われるのならと境内の草抜きをお願いした。はたしてどんな仕事をしてくれるかと思っていたが、時折見てみると、とても真面目に苔の中の雑草を一つ一つ丁寧にぬいてくれていた。
2時間ほどして、もうよろしいから、休んで下さい、今暖かい麺ものを用意していますからと言うと、あそこの枯れた笹を刈るから鎌を貸して下されと言われて、持ってくるとそれもきれいに刈ってくれた。それから礼を差し上げて食事をされたらそのままお帰りになった。何とも、良くして下さった跡を見るにつけ、何でこんな真面目な人たちに仕事がないのだろうかと考えさせられた。
満足な仕事が出来ない、丁寧な仕事が出来ない、素直さがないなど、仕事にあぶれる仕事に就けない人とはそうしたものかと思うけれども、このお二人は決してそんな人たちには見えなかった。勿論長くしていけば何か癖のようなものが現れるのかも知れないが。
それでもやはり今の世の中、経済状況が混迷する中で、ただ会社の利益のため、余分と思われる人件費を削減することが当たり前の世の中なのだろうか。いやむしろリストラを推奨すらしているきらいがあるのではないか。社会全体の利益のために企業というのは配慮する必要もありはしないか。
たとえ民間企業であっても、大きくなればなるほど社会に対しての影響力があり、それだけ責任があることを知るべきなのではないかと思う。今日ではアメリカ式の経営方式がとられ株主や経営陣優先の経営となりつつある。かつての終身雇用は全く時代遅れと成り果ててしまったが、本当にその方が良いのだろうか。
聞くところによれば、フランスでは、26歳以下の従業員を採用した場合には別段理由無くして解雇できるとする法律が成立して若者達のデモが起こっているという。日本も実際既にそうした状態にあるのではないか。
国の財政は健全なる多くの国民の経済的安定の基に成立するものではないだろうか。単に一部の人間だけの幸福を優先するところに国の安定はない。昨今の犯罪の多発、治安の乱れは正にこのことを意味しているのではないかと思われる。日本の国に他国のようなスラムが生まれつつある。
ところで、英国サッカーのベッカム選手は、お城のような所に住み、豪勢な生活を送っている反面、その生活を維持するために相当に高額のセキュリティー費用を支払い、ボディガードを家族全員に付けているという。私たちの国もそうなるのであろうか。いや既にそういう時代になってしまっているのであろう。人を大切にしないという、そもそものボタンの掛け違いが社会全体を蝕んでいることを知るべきなのであろう。
どこへでも寝かせてもらって、お掃除でも何でもさせてもらえないかと言う。このお寺は構えは大きいが、檀家が少なく経済的な余裕がないと言うと、なら一時間でも結構だから何か掃除でもさせてくれと言う。
いわゆるものもらいというのとも違う。ただお金を下さい、食べ物をめぐんで下さいということではなかった。そこで、そこまで言われるのならと境内の草抜きをお願いした。はたしてどんな仕事をしてくれるかと思っていたが、時折見てみると、とても真面目に苔の中の雑草を一つ一つ丁寧にぬいてくれていた。
2時間ほどして、もうよろしいから、休んで下さい、今暖かい麺ものを用意していますからと言うと、あそこの枯れた笹を刈るから鎌を貸して下されと言われて、持ってくるとそれもきれいに刈ってくれた。それから礼を差し上げて食事をされたらそのままお帰りになった。何とも、良くして下さった跡を見るにつけ、何でこんな真面目な人たちに仕事がないのだろうかと考えさせられた。
満足な仕事が出来ない、丁寧な仕事が出来ない、素直さがないなど、仕事にあぶれる仕事に就けない人とはそうしたものかと思うけれども、このお二人は決してそんな人たちには見えなかった。勿論長くしていけば何か癖のようなものが現れるのかも知れないが。
それでもやはり今の世の中、経済状況が混迷する中で、ただ会社の利益のため、余分と思われる人件費を削減することが当たり前の世の中なのだろうか。いやむしろリストラを推奨すらしているきらいがあるのではないか。社会全体の利益のために企業というのは配慮する必要もありはしないか。
たとえ民間企業であっても、大きくなればなるほど社会に対しての影響力があり、それだけ責任があることを知るべきなのではないかと思う。今日ではアメリカ式の経営方式がとられ株主や経営陣優先の経営となりつつある。かつての終身雇用は全く時代遅れと成り果ててしまったが、本当にその方が良いのだろうか。
聞くところによれば、フランスでは、26歳以下の従業員を採用した場合には別段理由無くして解雇できるとする法律が成立して若者達のデモが起こっているという。日本も実際既にそうした状態にあるのではないか。
国の財政は健全なる多くの国民の経済的安定の基に成立するものではないだろうか。単に一部の人間だけの幸福を優先するところに国の安定はない。昨今の犯罪の多発、治安の乱れは正にこのことを意味しているのではないかと思われる。日本の国に他国のようなスラムが生まれつつある。
ところで、英国サッカーのベッカム選手は、お城のような所に住み、豪勢な生活を送っている反面、その生活を維持するために相当に高額のセキュリティー費用を支払い、ボディガードを家族全員に付けているという。私たちの国もそうなるのであろうか。いや既にそういう時代になってしまっているのであろう。人を大切にしないという、そもそものボタンの掛け違いが社会全体を蝕んでいることを知るべきなのであろう。