住職のひとりごと

広島県福山市神辺町にある備後國分寺から配信する
住職のひとりごと
幅広く仏教について考える

備後國分寺の風景 4

2018年06月29日 16時25分08秒 | 備後國分寺の風景
備後國分寺の風景 4

仁王門を入ると、西側中央に大きな曼荼羅石、その右左に観音菩薩、行基菩薩が祀られています。曼荼羅石は、中央に大きく梵字で大日如来を表すアクとあり、それを梵字の光明真言がぐるりと下から右回りに配されています。光明真言はすべての仏の総呪と言われることから、古くから曼荼羅石と呼ばれています。行基菩薩は奈良時代の高僧で、東大寺大仏造立の勧進職を勤め、諸国國分寺の創建にもかかわったとされ、本堂には座像が祀られています。

その向かいには六地蔵堂があり、死後六道のどちらに転生しても、地蔵尊を信仰しておれば法を説いてもらえるといわれています。不思議と昔からこの地蔵尊には、様々な願いをかなえてくださるといわれ、遠くからお参りの信者さんがおられて、いつもきれいにお祀りし清掃までしてくださいます。中門を入りますと、手水鉢があり、観音菩薩銅像が祀られています。これは第一次世界大戦のあと有無両縁の戦没者供養のために造立された仏様です。





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備後國分寺の風景 3

2018年06月28日 11時57分02秒 | 備後國分寺の風景
備後國分寺の風景 3

今年3月25日6年に一度の涅槃会があり、2年半の修理を終えてお帰りになった仁王尊の開眼供養が行われました。30人を超える御稚児さんによる、稚児行列が行われ、一人一人に花を仁王尊に供えてもらって賑やかに開眼されました。300年近い歳月、多くの参詣者を迎え、またお寺を護持してきた仁王尊ですが、仁王門の中に入っているお姿からは想像もできないほどに立派な体躯、その力強さは、血管の浮き出る足からも想像できることでしょう。

仁王とは、2体並んで寺門を守ることから仁王と称され、本来は仏法と仏教世界をまもる護法神の一つで、金剛力士ともいい、天部に配される。息を吐いている阿形像、息を吸う吽形像の2体が配されるが、阿は万物の根源、吽は知徳の帰結を意味するという。両者の絶妙な間合いのことを阿吽の呼吸というが、それはこの仁王像の2体の阿吽から由来する。ちなみに、通常の配置は、阿形像が向かって右に、吽形像は左に配されるが、当山の仁王像は、東大寺南大門の仁王像に倣ってか、右に吽形像左に阿形像が祀られている。(「國分寺木造金剛力士立像・平成大修理記念」編集・徳島文理大学濱田宣教授参照)




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備後國分寺の風景 2

2018年06月25日 10時13分07秒 | 備後國分寺の風景
備後國分寺の風景 2

元禄七年に水野勝種侯により再建された際に、引き続き客殿北側に作られた元禄庭園。客殿に座して鑑賞する庭園で、西側上部に蓬莱山に見立てた石を置き、そこから爆水が庭園の池にそそぐ。その様子を、住処にかかる程であったと「爆流懸住処」と書に書き國分寺に寄贈されたのが、江戸時代後期の大儒学者であり、すぐれた詩文で有名な菅茶山先生でした。

庭園の背面、上部には西側の堂々川から引かれた水路があり、その水路から水が一年中池にそそぐように作られています。池に浮かぶ島は亀の形に作り、その後ろの石を組み合わせ鶴に見立てているのだとか。蓬莱山から注ぐ聖水により福寿を得られるという誠に縁起の良い庭園となっております。カキツバタ、睡蓮、百日紅、五月などなど季節の花をお楽しみいただけます。





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備後國分寺の風景 1

2018年06月24日 15時19分17秒 | 備後國分寺の風景

今日の備後國分寺

境内の宝篋印塔に、経に曰く「もし衆生あって、この塔において一香一花を礼拝供養せば、八十億劫の生死の重罪、ひと時に消滅し、生じては災い横死を免れ、仏土に生ぜん」と刻まれています。劫とは、果てしなく長い時間のことで、一劫は牛車で一日到達する距離ほどもある大きな石を百年に一度天女が舞い降りて羽衣でひと仰ぎして石がなくなっても終わらない時間と言われいます。その八十億倍もの、それだけ長い生き死にを私たちは流転再生していると仏教では考えます。どれだけ大変な道のりであったことか、なれば今こそ好機ではないかと問うのですが・・・。





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