野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

戦慄の4者連続HR!(22日・フェンウェイパーク)

2007-04-25 21:59:40 | Boston Red-Sox
 MLB(メジャーリーグ)における、日曜日のナイトゲーム=(それは)全米中継(@ESPN)。実況のジョン・ミラーさんは開口一番「コンバンワ!」「ヨウコソ、ふぇんうぇいぱーくへ!」。観客席でも「おはよう、日本の皆さん」と日本語のバナーが掲げられていた。注目の一戦、ボストン・レッドソックスvs.ニューヨーク・ヤンキース。宿命の対決のマウンドに背番号「18松坂大輔が上がった。

【1回表】簡単に2-OUTを取って、順調な滑り出しに見えた松坂。3番ボビー・アブレイユにも“ジャイロボール”(チェンジUp)を振らせて、「1-2」に追い込んで、4球目の外角への速球(96MPH)で決めに行ったが、判定は惜しくも「ボール」。際どい判定、だ。5球目にも同じコースにスライダーを配したが、これも「ボール」。この判定に松坂は思わず、マウンド上で<フリーズ>する。微妙な判定、だ。「3-2」になって、6球目がファウルの後、7球目は大きく外れて、四球(ウォーク)。ここから松坂の“悪夢”が始まる。
 4番アレックス・ロドリゲス、最も警戒するバッター。その初球、“ヒット・バイ・ピッチ”(デッドボール)! そのとき思わず、帽子を脱いで謝る、松坂大輔、日本流。気が動転していたのか、MLBではご法度の帽子を脱いで謝ってしまった、松坂。それとも、この独特の日本文化をアメリカへ逆輸入させる気か? 
 5番「これも大物」ジェイソン・ジオンビーには2球目のチェンジUpを流し打たれ、左中間を深々と破られて、2者が還って「0対2」先制を許した松坂。あの「想定外」「不測の事態」の2球の「ボール」の判定が、こういう結果を招いてしまった。初回でいきなり躓いてしまった、松坂。

【3回表】にも先頭のジョニー・デーモンにピッチャー強襲!! 左足の脛の部分を直撃するセンター前ヒットを浴び、2番デレック・ジーターにも“ヒット・バイ・ピッチ”(死球)!! アブレイユとA-RODには“復讐”の2者連続三振に斬って取ったが、またしても5番ジオンビーに詰まりながらもライト前ヒットを浴び、3失点目。これもセカンドが深追いしすぎたような気もするが……

 しかし、その裏、戦慄の4者連続ホームラン! 最初に4番マニー・ラミレス。レフトスタンド最上段に突き刺さり、そのまま場外に消えていった特大のホームランで「1対3」。ようやく援護の得点が1点だけ入ったか、と思った、その矢先、5番J.D.ドリューが、松坂と代理人(スコット・ボラス氏)が同じ誼でライトスタンドに2者連続ホームラン! 「2対3」1点差に詰め寄る。
 ここまではよくある。ここからが凄い。6番マイク・ローウェルもレフトスタンド場外に消える一発! これで「3対3」同点!! こうなってくると「ひょっとしたら…」と思う。その「ひょっとしたら…」を実現した男、このチームの「C」(キャプテン)ジェイソン・ヴァリテックがレフトスタンド最上段に突き刺さして、4者連続!! この物凄い攻撃で「4対3」一気に逆転したボストン。松坂への最大限の援護射撃を遂行したのだが……

【5回表】先頭のジーターにレフトスタンドに放り込まれ、「4対4」。【6回表】6番ロビンソン・カノ、7番ダグ・ミンケイビッチに連打を浴びて、併殺の間に1点を失って、「4対5」勝ち越される。松坂、MLB移籍後の最悪のピッチングとなったが、【7回裏】<ラッキーセヴン>にローウェルの3ラン(第3号)が飛び出して、「7対5」再逆転! 

 松坂は【8回表】のマウンドにも上がったが、先頭のA-RODにライト前ヒットを浴びて、ここで降板……7イニングス(0/3)5失点なのに、ボストンの観客からは<スタンディング・オヴェーション>で迎えられた。そういえば、初回に2失点でマウンドを降りた際にも、ボストンの観客は<スタンディング・オヴェーション>で温かく松坂を出迎えていた。次回の登板こそは、この「温かさ」に「快投」で応えたい松坂だ。

 そして、松坂に代わって、マウンドに走ったのは何と! 左腕・岡島秀樹だった。この映像にも身震いした。こういう感動は、なかなか日本のプロ野球だけを見ていては味わえない。3連投の岡島は、松坂が「打たれた」ジオンビーをショートフライに打ち取ったものの、カノにセンター前ヒットを浴び、代打ホルヘ・ポサーダを歩かせ、1-OUT満塁のピンチを招き、降板……3番手のブランデン・ドネリーが8番メルキー・カブレラをファーストゴロに打ち取って、この間に1点入って、「7対6」1点差……
 代打ジョシュ・フェルプスがセンター前に抜けそうなラインドライヴを放つが、これを【3回表】に深追いしすぎた(?)セカンドのルーキー、ダスティン・ペドロイアが飛びついてキャッチして、松坂は救われた。これが抜けていれば、松坂の「2勝目」は無くなり、この3連戦<スウィープ>も雲散霧消していただろう。

松坂、8回途中6失点もヤンキースからホーム初白星!(MAJOR.jp)