活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

日本の開港と新聞と印刷

2009-07-19 12:28:12 | 活版印刷のふるさと紀行
 まるで「三題噺」のようなタイトルですいません。予定通り昨日、横浜の日本新聞博物館に神田川大曲塾の面々と『開港5港と新聞』の企画展に行ってきました。

 印刷の発生や進化が「宗教」、経典や聖書と深いかかわりを持っていることは知られておりますが、開港に伴っての新聞の発行、それに付随しての「印刷」とくれば見落とすわけにいきませんので会期ギリギリの見学会でした。

 新聞博物館の1階ホールから2階、3階を吹き抜けにして、静岡新聞提供の新聞印刷用輪転機がシンボルモニュメントとして来館者の目を奪います。
 そこで、はからずも思い出したのは一般の方に「印刷」のイメージをうかがうと、かなりの人が新聞社の輪転機を思い浮かべるという一事です。

 さて、「開港5港と新聞」の企画展示についてレクチュアーしていただいたのは、同館の企画部長、藤高伊都さん。1858年(安政5)日米修好通商条約により開港した横浜、長崎、函館、神戸、新潟で誕生した各地の新聞資料を順路にしたがって観ることができました。木版もあれば、初期の活版もありました。

 企画展は撮影禁止でご紹介できませんが、ここに掲載の写真は3階の常設展示の歴史ゾーンです。ここには印刷博物館提供の本木昌造がらみの新聞創生期の蝋型電胎法による母型製造の資料をはじめ新聞成立期の印刷文化史料が展示されていて
印刷人必見です。

 ところで、私が藤高さんに「日刊新聞発祥の地」の碑のことをうかがったら、一部壊れたために廃棄処分になって、2000年に出来た博物館には引き継がれなかったとのこと。残念なことでした。

コメント
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