活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

マカオの印刷機の話

2011-05-17 10:27:12 | 活版印刷のふるさと紀行
 名古屋に行ってきました。「のぞみ」だと東京から2時間たらず
ですから近郊に行くのと変わりありませんが、やっぱり、旅行気分
になるから不思議です。

 その車中でマカオから来たというご夫妻と知り合いました。
 「日本は放射線で危ない、日本人の妻になっている娘と孫をマカオ
に連れて帰るための来日」ということでした。

 マカオといえば、私はすぐ、ここに眠っているヴァリニャーノや原
マルチノやコンスタンチノ・ドラードなどキリシタン版がらみの人たち
を思い浮かべてしまいます。そこで、車中のご夫妻にも「澳門博物館」
で見た日本で最初の鉛活字を使って活版印刷でキリシタン版を印刷し
た「印刷機」を見て感激した話をしてしまいました。

 「グーテンベルク可動式タイプを採用した東洋初の印刷機はイエズス
会の神父アレッサンドロ・ヴァリニャーノ(ローマを訪れた少年使節団
を日本に連れて帰って来た神父)によって16世紀末にマカオにもたら
されました。この印刷機は当時日本に運ばれるためのものでしたが、
1588年から1590年までここマカオにあって多くの書籍を印刷し
ていました…」

 その印刷機はレプリカですが良くできていて、こんな説明文が付されて
おりました。ドラードたちがマカオ滞在中に印刷したのは『キリスト教
師弟の教育』と『遣欧使節対話録』が知られております。
写真は自著『活版印刷紀行』(印刷学会出版部)より
コメント
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